IHIのグループ会社である株式会社IHIアグリテック(所在地:長野県松本市,社長:磯本 聡一)が開発した,急勾配対応のリモコン式小型ハンマーナイフ式草刈機が,このたび,農林水産省および公益社団法人農林水産・食品産業技術振興会協力の令和6年度(第25回)「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」において,「農林水産技術会議会長賞」を受賞しました。最大傾斜角45度の急勾配においても,市販品に対して2倍以上の高い能率での草刈作業を,安全な場所からのリモコン遠隔操作によって行うことができ,生産現場の労働負担の低減に大きく寄与したことが評価されました。
図1. 表彰式の様子(左から,IHIアグリテック 開発部 佐野 修一・木島 悦男・牧 洋文,農林水産技術会議会長 本川 一善))
この表彰は,農林水産業その他関連産業に関する研究開発のうち,民間が主体で行っているものに対して,一層の発展及びそれに従事する者の一層の意欲向上に資するため,優れた功績をあげた者を対象とするもので,IHIアグリテックとしては初めての受賞です。
図2.リモコンで操作する小型ハンマーナイフ式草刈り機「SH950RC」
図2.リモコンで操作する小型ハンマーナイフ式草刈り機「SH950RC」
急勾配の斜面における草管理作業は,傾斜面での作業となるため姿勢が不安定で,滑りやすい作業環境から,転倒・転落事故が多く,作業者の大きな負担になっています。IHIアグリテックはこれらの作業の省力化,安全性向上に貢献することを目指して製品開発を行いました。2022年6月の発売以降,多くのお客さまにご愛用いただいており,目標販売台数300台を当初目標より1年先んじて2024年に突破しました。
本製品の特長および受賞の理由は以下のとおりです。
・ 10kWガソリンエンジンを搭載し,走行部は油圧クローラ式,刈取部も油圧駆動とした軽量コンパクトな低重心設計により最大適用傾斜角45度を達成。
・ 軽トラックで運搬できる小型の機体でありながらも,勾配斜度,草種,草丈さまざまな条件下で比較検証試験を行った結果,市販の歩行型草刈機,肩掛け式刈払機,および,リモコン草刈機に対していずれも2倍以上の作業能率を得ることができた。
・ 本草刈機を使用することで,急勾配法面においてもリモコンを用い,安全な場所から遠隔操作で高い作業を行うことができる。
・ 安全かつ,草刈作業を行う現場の生育状態や機械搬入のための道路状況に左右されること無く高能率作業を行うことができるという特徴を持つ本製品は生産現場の労働負担の低減に大きく寄与できることを確認した。
IHIアグリテックは今後とも,機械メーカーとして農作業の省力・軽労化および,安全性向上に貢献していきます。
【参考プレスリリース】
2022年06月28日 国内初となるリモコン操作が可能な小型ハンマーナイフ式草刈機を開発・販売開
~プロユース仕様:作業の省力・軽労化により、労働力不足を解消し高能率な草刈作業を実現~
https://www.ihi.co.jp/all_news/2022/industrial_general_machine/1197977_3477.html
【参考動画】
以下URLより,SHIBAURAリモコン小型ハンマーナイフモア「SH950RC」運転の様子をご覧いただけます。
https://youtu.be/3Kh6mrU9U5g?si=Ef68i29MSuVf4MY8