記
1.事案の概要
(1) 当社子会社の営業秘密の持ち出し行為について
元社員らは、当社子会社において大都に関わる物流業務に従事していた者ですが、大都役員らの指示等により、作業原価や外注費情報等が含まれた「原価予測」なるファイル及び大都が実際に引き抜きをした従業員を含む引き抜き候補者26名の作業生産性や出勤率が含まれた「口説く人員数」なるリストを作成し、原価情報や給与情報等の営業秘密情報を漏洩させ、また、当社子会社の経営会議資料、当社子会社のスクロールロジスティクスが運営するスクロールロジスティクスセンター関西1(以下「SLC関西1」といいます。)のクライアントに対する物流サービスの損益情報等の営業秘密情報が記載されたファイルを違法に持ち出しました。現在調査中ですが、最大で9,000あまりのファイルを持ち出した形跡があります。
大都は、これらの元社員らの行為を通じて、違法に取得した当社子会社の営業秘密情報を使用して、物流業務及びフルフィルメント受託業務(物流代行業務)を自社で行うことを目的とした倉庫の移転計画を立案し、実行しています。
(2) 当社子会社の従業員の引き抜き行為について
また、元社員らが、当社子会社の営業秘密情報の持ち出していたことに加え、当社子会社に在籍していた当時から、当社子会社の16名の倉庫現場の従業員に対し、当社子会社を退職して大都に転職するよう促していたこと(以下「本件引抜行為」といいます。)も、当社子会社の内部に残されていたデータから判明しております。大都役員らは、元社員らとの間で、元社員らが当社子会社に在職していた当時から、元社員らと共謀して本件引抜行為を組織的に実行し、16名の従業員を引き抜きました。
(3) 倉庫内の備品の窃取について
元社員らは、大都の移転先倉庫で物流業務を行うために使用することを前提に、盗み出す対象物をまとめた「必要備品リスト」なる資料を作成し、当社子会社が所有しSLC関西1にて使用しているパレット、コピー機等のOA機器及びコピー用紙やトナー等の備品を当社取引先に対して当社名義で無断で発注し、倉庫内の「秘密の部屋」に隠した上で窃取する計画を立てていました。
2.法的手続きについて
当社子会社は、元社員ら、大都及び大都役員らが共謀して違法に当社の営業秘密情報を取得し、使用していることを受け、元社員ら、大都及び大都役員らを不正競争防止法上の営業秘密侵害罪で刑事告訴することを決定いたしました。また、当社子会社は、元社員らが当社子会社の備品を窃取しようとしていたことを受け、元社員らを窃盗罪でも刑事告訴することを検討しています。今後、刑事告訴と併せて、持ち出された営業秘密の使用差止め、営業秘密利用に係る損害賠償請求、本件引抜行為に係る損害賠償請求のための民事訴訟を行うことも決定いたしました。
3.当社営業秘密情報の取扱いについての注意喚起
1.(1)で記載したとおり、元社員らが、大都役員らの指示により取得した当社子会社の営業秘密情報は、違法に取得された営業秘密情報に該当しますので、当該情報の開示を受けた場合には、速やかに当社までご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。
なお、元社員ら、大都、大都役員らより当該情報の開示を受け、これを使用した場合は、当社子会社の営業秘密情報を使用した方についても不正競争防止法に違反する可能性があるため、これらの者からの情報の取得及び取得した情報の利用に際しましては、十分ご注意くださいますよう、お願い申し上げます。
以 上