QuickConcの製品写真
株式会社AdvanSentinel(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:古賀 正敏、以下「AdvanSentinel」)は、次世代の環境DNA濃縮法「QuickConcTM」を本日より発売開始することをお知らせいたします。
【背景】
生物多様性のモニタリングや保全において、環境DNA分析は近年注目を集めています。しかし、従来の環境水濃縮法は、感度、通水性や、時間と労力を要することが課題でした。AdvanSentinelは、これらの課題を解決し、より迅速かつ簡便な環境DNA分析を実現するべく、新技術「QuickConc(TM)」(図1)を開発いたしました。
【QuickConcTMとは】
QuickConc(TM)は、電力不要で、誰でも簡単に使用できる環境水濃縮キットです。独自の濃縮メカニズムを採用することで、従来法と比較して以下の特長を実現しています。
- 高効率なDNA回収: 陽イオン性物質を用いることで、ガラス繊維シートへのeDNAの結合効率を向上させ、従来法よりも高いDNA収率を実現しました(図2)。
- 迅速な濃縮: 水中で分散するガラス繊維シートを採用することで、濾過スピードを大幅に向上させ、迅速な濃縮を可能にしました。
- 幅広い適用性: 河川水、海水、池水など、多様な環境水に適用可能です。
- 既存のワークフローとの互換性: QuickConc(TM)で濃縮したサンプルは、環境DNA学会マニュアルに掲載されているQiagen社のDNeasy Blood and Tissue kitなど、既存のDNA抽出キットと組み合わせて使用できます。
- オールインワンパッケージ: キットには必要な試薬・器具がすべて含まれており、複雑な操作は不要です。
図2:各手法を用いた種特異的PCRの比較
【QuickConc(TM)がもたらす効果】
QuickConc(TM)は、環境DNA分析の効率を大幅に向上させることで、以下のような効果が期待されます
- 生物多様性モニタリングの効率化: より多くのサンプルを短時間で分析することが可能になります。
- 保全活動の促進: 迅速なデータ取得により、よりタイムリーな保全対策の実施が可能になります。
- 環境DNA分析の普及促進: 簡便な操作性により、より多くの研究者や機関が環境DNA分析に取り組むことが期待されます。
その他、製品情報など、気になるところがございましたら、個別のご説明も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。(https://advansentinel.com/ja/contact)
【販売情報】
QuickConc(TM)(20回分)は、Amazon.co.jpにてご購入いただけます。
URL: https://www.amazon.co.jp/dp/B0D91VYMK3
また、キットに同梱されているQRコードからアクセスできる無料のサンプル管理アプリをご利用いただくことで、サンプリング地点やメタデータの管理を容易に行うことができます。CSV出力やオフライン操作にも対応しています。ご利用希望の方はお気軽にお問合せください。(https://advansentinel.com/ja/contact)
【その他情報】
- 本製品開発に関する論文は、神戸大学大学院人間発達環境学研究科 源教授との共同研究により執筆され、現在プレプリントとして公開されています。(査読を経ていないプレプリント段階でのプレスリリースであり、今後、内容が修正される可能性があります。)
- URL: https://www.authorea.com/users/798113/articles/1222835-quickconc-a-rapid-efficient-and-power-free-edna-concentration-method-with-cationic-assisted-capture
- 実際のキットの使い方は、YouTube動画でご覧いただけます。(URL: https://www.youtube.com/watch?v=HLnSGbPxQ8o)