米・米粉消費拡大推進プロジェクト事務局は、2024年7月17日(水)に「米粉を知るゼミ」の一環として、米粉カンファレンス2024「米粉ブームの再来、次の一手は?」を開催しました。カンファレンスでは、昨年食のトレンド入りを果たした米粉に関する旬なテーマを深堀りすると共に、社会や企業にとっての“食”の課題を取り上げ、解決に向けて意見交換を行いました。
■「米粉カンファレンス2024」とは
本カンファレンスは、米粉に関する旬なテーマを深堀りすると供に、社会や企業にとっての“食”の課題を取り上げ、意見交換を通して、解決策の参考にして頂くことを目的として開催しました。当日は、製粉企業や研究機関、料理研究家の方にご登壇いただき、トークセッションを実施。また、米粉関連の開発・マーケティング・営業に関わる経営幹部の方々や管理者、スタッフの方々をお招きし、これからの展望などを伺いながら、「米粉とマーケティング」を考えました。
■農林水産省 農産局 穀物課 米麦流通加工対策室 葛原 祐介 室長
「日本の新しい食文化を作る」
本カンファレンスの冒頭に、農林水産省の葛原室長より「食料安全保障の確保のためにも米粉の利用拡大は重要ですが、いかにみなさまに米粉をおいしく食べてもらうかが課題です。現状、米粉について知恵やノウハウを持っている人が点在しているため、今回のカンファレンスをきっかけに、横のつながりを形成し、相乗効果を生み出していきたい。皆さんで協力して米粉を日本の新しい食文化にしていきましょう。」とご挨拶をいただき、米粉カンファレンスの開催が告げられました。
■株式会社cotta 代表取締役社長 黒須綾希子さん
「米粉の魅力と正しい情報を届けていきたい」
カンファレンスの冒頭では、株式会社cotta 代表取締役社長である黒須さんよりご挨拶をいただきました。黒須さんは、「現在、米粉は小麦粉よりも検索されており、多くの人に注目されているため、情報と商品のどちらも届けることができるcottaだからこその米粉の魅力と正しい情報を届けていきたい。」と、米粉の情報発信や流通に対する熱い想いを語りました。
■トークセッション1.「製粉企業が考える市場拡大における課題と次の一手」
「米粉の誤解を解き、用途に合わせた米粉の存在を伝えることで消費拡大に繋がる」
株式会社波里 代表取締役社長である藤波 孝幸さんと、熊本製粉株式会社 執行役員 企画マーケティング部部長 林 いずみさんが登壇し、「製粉企業が考える市場拡大における課題と次の一手」をテーマに、トークセッションを行いました。
藤波さんは、株式会社波里が取り組んでいる米粉の品種改良について紹介し、「製粉企業として、新用途米粉の新たな商品展開を検討している。」と米粉に関する企業の今後の展望についてコメント。林さんは「米粉の魅力を伝えるため、米粉商品は新たなパッケージを制作するなど取組を行ってきた。米粉の商品展開拡大に加え、『米粉は美味しくなさそう』『米粉はあまり膨らまなさそう』といった米粉の誤解を解くことが重要で、情報発信や用途にあわせた米粉の存在・小麦粉との違い・使い方を伝えることが、さらなる米粉の消費拡大に繋がる。」と、米粉の消費拡大に向けた課題とその解決策について話しました。
■トークセッション2.「機構が考える米粉の可能性と品種による特性の理解」
「品種開発をすることが米粉の可能性を広げることに繋がる」
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門 食品流通・安全研究領域 流通技術・新用途開発グループ 上級研究員 荒木 悦子さんにご登壇いただき、農研機構が考える米粉の可能性と品種ごとの特性についてプレゼンテーションしました。
プレゼンテーション内で、荒木さんは「粒子が細かく、デンプン損傷が少ない日本の米粉が、海外でも評価されている。実際に、フランスで行った調査では、日本の米粉を使ったバケットがフランス人に高く評価され、海外への輸出も米粉の消費拡大に繋がることを期待している。今後は、栄養価が高い玄米粉にも注目し、品種開発を通して米粉の可能性を広げていきたい。」と、今後の米粉の可能性についてコメントしました。
※フランスでの調査URL:
https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/seikatenji/seika2022/2022_poster_53.pdf
■トークセッション3.「料理研究家が消費者視点で見る米粉の魅力と期待」
「今、米粉は身近な存在。簡単に美味しく調理ができることを伝えていくことが重要」
レシピ本を8冊出す米粉専門家である高橋ヒロさんと株式会社cotta 代表取締役社長の黒須さんによる、「料理研究家が消費者視点で見る米粉の魅力と期待」をテーマにトークセッションを行いました。
米粉を使用した料理の研究を長年行ってきた高橋ヒロさんは「これまでの米粉ブームは、美味しさで小麦粉に勝てなかった点や、実際の料理で使いにくかった点から、ブームが一時的に終わってしまっていた。近年ではスーパーなどでも米粉が手に入りやすくなり、身近な存在となった上に、米粉を使用した食べものを作りたいからパン作りやお菓子作りをしたいという人が増加している。品種開発や用途別商品展開の拡大を通して、昔は扱いづらかった米粉が使いやすい食品に変化してきており、今後は米粉が簡単に美味しく調理できることを伝えて、米粉へのハードルを下げることが重要。」と、料理家目線で米粉の可能性を語りました。
■「米粉を知るゼミ」とは
「米粉を知るゼミ」は、「米コ塾」の一環として米粉を取扱う事業者・各種団体の方、またこれから事業に米粉グルメを取り入れることを検討中の方※1に向けて米粉の正しい知見やノウハウの提供をし、米粉に関する理解を深めるコミュニティです。米粉はぐるなび総研が発表した2023年「今年の一皿」準大賞に選定されるなど、ブームの到来と言われています。そこで、米粉の特徴の1つであるグルテンフリーに関する有識者のインタビュー、交流会、展示会など、さまざまな活動を通して情報発信を行います。
※1:技術やノウハウを共有しながら米粉普及の未来を探求するコミュニティ「米コ塾」にご登録頂くと一般公開に先立って情報をご提供します。 米コ塾URL:https://jyuku.komeko-times.jp/
■米・米粉消費拡大推進プロジェクトとは
「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」は、農林水産省が行う「米・米粉消費拡大対策事業」の一環として実施します。本プロジェクトを通して、国際的な人口増加等による食料需要増大、原材料価格の上昇や円安の影響から、日本の食料安全保障の重要性が改めて見直されていることを受け、食糧の安定供給に向け国内で自給可能な作物である「お米・米粉」の消費拡大を目指しています。
■事業実施主体について
1996年に飲食店情報サイト「ぐるなび(※)」を開設。詳細なメニュー情報等を事前に確認してから飲食店に行くという外食のスタイルを定着させました。現在「食でつなぐ。人を満たす。」という存在意義(PURPOSE)のもと、「飲食店DXのベストパートナー」としてさらなるサービスの拡充を図っています。
(※)2023年10月に「楽天ぐるなび」へ名称変更
社名 株式会社ぐるなび
Gurunavi, Inc.
設立年月日 1989年10月2日(会社設立)
2000年2月29日(株式会社ぐるなび発足)
所在地 東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー11F
資本金 100百万円(2024年3月31日現在)
事業内容 パソコン・スマートフォン等による飲食店等の情報提供サービス、
飲食店等の経営に関わる各種業務支援サービスの提供その他関連する事業
従業員数 単体980名 連結1,059名(2024年3月31日現在)
URL https://corporate.gnavi.co.jp/