あのひとの推し本を通して新たな世界と出会う「フヅクエ文庫」第6弾に武田砂鉄さん登場。過去に近藤聡乃さん、雪浦聖子さん、稲田俊輔さん、三宅唱さん、滝口悠生さんが選書。…

掲載日: 2022年06月30日 /提供:フヅクエ

本の読める店fuzkue(所在地:東京初台・下北沢・西荻窪、URL: https://fuzkue.com/ ) は、2021年、覆面選書本販売企画「フヅクエ文庫」を開始しました。同企画は、さまざまな方に選書していただいた本を、タイトルのわからない状態で選書コメントをたよりに購入をしてもらう、未知の本との出会いを創出する企画です。「あのひとの推し」を通じて本を買う。そのことによって、思いも寄らない本との出会いを生み出します。これまでに、近藤聡乃さん、稲田俊輔さん、雪浦聖子さん、三宅唱さん、滝口悠生さんにご参加いただきました。2022年6月30日、第6弾としてライター・武田砂鉄さん選書のフヅクエ文庫の発売を開始します。併せて、武田砂鉄さんの高校時代の読書にまつわるエッセイも同時公開されます。





【フヅクエ文庫とは】

あのひとの「推し」本と出会う覆面本企画



「フヅクエ文庫」は、さまざまな方から大切な本を教えていただき、その本への思い入れや思い出等を書いていただいた選書コメントとともに販売する覆面本企画です。
選者と選書コメントをたよりに、未知の本との出会いを創出する、いわば「あのひとの推し本を通して新たな世界と出会う」企画です。
「誰かにとっての大切な本が、また別の誰かにとって大切な本となるといい」という思いから、幸福な偶然の出会いを創出することを目的としています。

これまで寄せていただいた選書コメントの一部


大人になってから繰り返し読んだ本。何度読んでも掴みきれない魅力があり、わかるようなわからないような気持ちで読み返すことをお薦め致します。(近藤聡乃・選 フヅクエ文庫004)




静謐で美しい食エッセイ。おいしいかおいしくないか、口に合うか合わないか、そういった感覚を超越した美学が貫かれています。昔も今も食の世界は、無理して贅沢をひけらかすかのような虚飾にあふれていますが(そしてそれはそれで時にチャーミングなものではありますが)、そういったものを断固として寄せ付けないこの本の潔さには心が洗われます。(稲田俊輔・選 フヅクエ文庫008) 




40代になってから読んだ本。変わりゆく世界で、何を大事にしていくのかを常に更新して、凝り固まらずしなやかに生きていこうとするときにきっと役立つ本です。(雪浦聖子・選 フヅクエ文庫012)




面白い! 友達にあげて、買い直して、またあげて、が続いている一冊です。(三宅唱・選 フヅクエ文庫016)




27歳ではじめて会社員になってひと月ほどで辞めたくなったのだけれど、そのいちばんつらい時期にこの文庫本を読んでいた。勤め先のひとつ手前の駅で電車を降りてホームのベンチで、だめだ、と思っていたあの日もバッグのなかにこの本があった。たまたまその時期に読んでいたというだけで、作中の出来事や一節に勇気づけられたみたいなことではないが、結局会社は辞めずにその後5年ほど働いた。辞めずに働いたのがよかったのかどうかはわからない。でもその曲がり角みたいなところを一緒に過ぎたこの本には恩義とか友情みたいなものを感じています。(滝口悠生・選 フヅクエ文庫022)


【第6弾はライター・武田砂鉄さんに参加していただきました】
武田砂鉄さんに5冊の本を選んでいただきました。

選書に寄せて
そこら辺にあった本
本棚がしっちゃかめっちゃかになっている。でも、そこら辺で入り乱れている本は、あくまでも自分の意思で自分の部屋にやってきた本だと思うと、それぞれ愛おしい。こうやって選書する機会をもらうと、入念に考えて、テーマを設けるものだけど、いっそのこと、今、そこら辺にあった本でいいのではないかと思い立った。本棚に入りきらず、そこら辺に積み上がっていた文庫本から、ひとつかみって感じで選んでみた。一回しか読んでなくても、しばらく放置されていても、当然、どれも大切な本だ。

選書コメント抜粋


とにかくコラムってものが好きで、短い文字数の中に、エッセンスが詰め込まれているのがいい。それでいて、エッセンス、詰め込みましたよ、って感じではいけない。各新聞の1面には名物コラム欄があるけれど、昨今のそれは、さぁ、詰め込みましたよって感じが多い。「勉強になりましたよ」と言われたい体つきをしているのだ。この人のコラムはそうではない。余裕があって、隙間にユーモアが入り込んで、気持ちよく流れていく。(フヅクエ文庫024)




14歳で日本に帰国したときに、「劣等感」という言葉が飛び交っていることに驚いたのだそう。あるいは、「ハゲ」とか「デブ」とか肉体的な特徴をあげつらう言い方があちこちでおこなわれているのも、信じられなかったそう。文庫本の帯には「没後10年 心に効く愛と毒舌」と書かれている。そうそう、愛と毒舌というのはちゃんと同居できるもの。人間と向き合うと、愛も毒も同時に出てくるとわかります。(フヅクエ文庫026)


フヅクエ文庫と併せて、忘れがたい読書の時間にまつわるエッセイ企画「あのひとのフヅクエ時間」にも、高校3年生のときの印象深い読書を描いたエッセイ「勝負しなかった夏」を寄稿していただきました。こちらも同時公開です。

フヅクエ文庫:https://fuzkue.com/library
あのひとのフヅクエ時間:https://fuzkue.com/fuzkuehour_essay


武田砂鉄さんプロフィール

武田砂鉄さん
1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。他の著書に『日本の気配』『わかりやすさの罪』『偉い人ほどすぐ逃げる』『マチズモを削り取れ』などがある。TBSラジオ『アシタノカレッジ』金曜パーソナリティを務める。


代表 阿久津隆より

代表 阿久津隆
本との出会いはいつだって跳躍を伴います。初めて読む作家ならもちろんですが、どれだけ好きな作家の本だって、読んでみなければ面白がれるのかどうかはわからない。怯んで跳べないときもある。
その跳躍を、自分が好きなあのひとたちに手伝ってもらおう、というのがフヅクエ文庫です。好きで、信頼を置いた人たちが大切に思う本、そこに寄せられた言葉、それを頼りに手にした本を読む時、常にあのひとが伴走してくれるような感覚になるかもしれません。ある場面で感動したとき、あのひとがスッと近くにいるように感じられるかもしれません。その読書は、けっこう得難い豊かな経験になるように思います。

タイトルを隠したのは、えいやっと跳躍してほしいから。雑誌や書店の選書を見るとき、その選者をどれだけ好きであって信頼していても、案外自分のフィルターをくぐらせて、「この本は自分はいいかな」とパスしてしまうものです。でも読んでみたら、人生が変わっていたかもしれない。知っちゃっていたら買わなかった本と出会っちゃうことも、この企画を通して起こしていきたいことのひとつです。

今回はライターの武田砂鉄さんに参加いただきました。『紋切型社会』以来、武田さんの描く文章にずっと刺激と勇気をもらってきました。ある事象や言葉を取り扱う手つきの鮮やかさは、名人のルービックキューブ回しのようでいつも見とれてしまいます。そんな武田さんがこれまでどんな言葉に触れてきて、そして影響を受けてきたのか、ぜひ聞いてみたいと思ってお願いしました。


武田砂鉄さん選・フヅクエ文庫の詳細
商品名:フヅクエ文庫024~028
価格(税込):550~1650円
販売場所:fuzkueウェブサイト内「フヅクエ文庫」
URL:https://fuzkue.com/library


【本の読める店fuzkueとは】

本の読める店フヅクエ初台
本の読める店フヅクエ下北沢
本の読める店フヅクエ西荻窪


「本の読める店fuzkue」とは、「幸せな読書の時間の総量を増やす」をモットーに運営されている本を読んで過ごすことに特化した店です。仕事や会話はできないルール等、快適な読書の時間を守られています。店舗は現在、初台・下北沢・西荻窪にあります。
ビジョンは「何かを好きだと思う(たとえば読書)、その自分をより屈託なく肯定できる社会、互いに異なる「好き」により敬意を払いあえる社会、より安心して何かを好きでいられる社会をつくる」。
代表の阿久津隆は著書に『本の読める場所を求めて』『読書の日記』等があります。

会社名:フヅクエ株式会社
所在地: 渋谷区初台1-38-10 二名ビル2F
代表取締役:阿久津隆
URL:https://fuzkue.com/


【ご取材等お問い合わせ先】
担当:阿久津
e-mail:contact@fuzkue.com

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