日本有数の日照時間を誇り、瀬戸内に面しているため風光明媚で穏やかな気候が特徴の岡山県。「晴れの国」と称されており、その気候はおいしい果実が育つことでも有名です。そのなかでも全国で高い品質の評価を受けているのは白桃とブドウ。岡山県を代表する2大フルーツです。今回は、旬を迎えている白桃とブドウの豆知識や変わり種レシピなどを岡山県よりご紹介します。
岡山県が誇る2大フルーツ!
岡山県を代表する2大フルーツである桃とブドウ。品種によって異なりますが、桃は6月~9月、ブドウは5月~12月が出荷時期となります。お互いの出荷が被るこれからの季節、岡山県のフルーツが最大のピークを迎えます。
岡山県の桃は“白桃”であり、名前の通りその白さが特徴です。明治初期に白桃が品種改良によって誕生し、本格的な栽培がスタート。小さい実のうちから袋掛けを行う全国でも珍しい栽培方法により、害虫や雨風、直射日光から実を守ることで薄い果皮と香りの高さ、果汁たっぷりのやわらかく滑らかな舌触り、そして上品な甘さを持った白桃が生まれます。現在の栽培面積は全国6位(2023年現在)ですが、「白桃」や「清水白桃」を始めとした栽培の主流である品種の大半は岡山県がルーツとなっています。
岡山県のブドウ作りの歴史は約130年以上前と言われており、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」という品種の栽培から始まりました。雨に弱く、高温・乾燥を好むため、日本での育成が難しい品種でしたが、岡山県が産地化にいち早く取り組み、日本一の生産地になりました。
現在、岡山県では「マスカット・オブ・アレキサンドリア」で培った技術を生かし、大粒で種無しのニューピオーネ、 ワインレッドの色が美しい「紫苑」、近年高い人気を誇る「シャインマスカット」などの多くの品種が栽培されています。いずれも糖度の高さや房形などで高い評価を得ています。
<出荷の目安>
桃
ブドウ
最大限味わうために!おいしい白桃・ブドウの見分け方&おすすめの食べ方
白桃
●美味しい白桃は“見た目・香り・感触”に注目!
美味しい桃を選ぶポイントは、まず見た目に注目。形が左右均等で、青みが抜けきれいな乳白色のものが食べ頃です。また香りや手に持ったときの感触も重要で、桃特有の甘い香りが豊かに広がり、やわらかさを感じるものを選ぶのがおすすめ。ただし、桃を持つ際は桃が傷まないよう優しく触りましょう。
また、少しマニアックですが、桃には「果点」や「ジャビ」と呼ばれる小さな点々があります。桃が熟して糖度が上がると生じるもので糖度が高い証。ちなみに、果皮が赤い桃では白い点々ですが、岡山の白桃は色が白いのでそばかすのような黒い点になるのが特徴です。
●食べる1~2時間前に冷蔵庫にIN!
白桃は繊細なフルーツであり、日なたで保管すると果実内温度が上がり日持ちせず、反対に冷蔵庫で保管すると甘味が落ちてしまいます。白桃の最適な保存方法は、直射日光の当たらない場所で常温保存をすること。また、食べる1~2時間前に冷蔵庫に入れることで、冷たくておいしい白桃を食べることができます。
●切り分けるときは縫合線からカット!
出典:https://youtu.be/G2jJ-AjNJZg?si=axpsDdOAricICloH
※実が固く、どうしてもむきにくい場合は湯むきがおすすめ。白桃のおしりの部分に軽く十字に切り込みを入れ、熱湯にさっとくぐらせすぐに氷水につけると簡単に皮をむくことができます。
ブドウ
●皮についている“白い粉!?”は食べる直前に落とす!
ブドウの表面についている白っぽいものは“ブルーム”と呼ばれ、水分の蒸発などから実を守るためにブドウ自らが出しているものです。主成分はミネラルであり、ブルームが濃いほどブドウが新鮮である証とされています。購入後はそのままにしておき、食べる直前に洗い落とすことで鮮度を長く保つことができます。
●追熟いらず!買った時が食べごろ
フルーツは購入後に一定期間おいて追熟させることがありますが、ブドウには追熟がなく収穫時点で成熟したものが出荷されているため、購入後は早めに食べる方が良いとされています。
冷やすことで甘さをより強く感じられるため、食べる1~2時間ほど前に冷蔵庫に入れて冷やすのがおすすめです。また、食べる前に氷水で15分ほど冷やすと、よりおいしく味わえます。ほかにも、2時間ほど冷凍庫で凍らせてシャーベット状の「半凍り」にすると、シャーベットのようなシャリシャリの食感が楽しめます。酷暑が予測される今年の夏にぴったりです。
●下から上に向かって食べ進める!
ブドウは実のついている部分によっても味が変わります。房の上部・外側の方が甘いとされているため、下部から食べ進めると徐々に甘みを感じられて、最後まで満足感を味わえます。また、皮の部分には多くの栄養と旨味が含まれているため、実は皮ごと食べるのがおすすめの食べ方です。
そのまま食べるだけじゃない!食卓で大活躍のレシピ
そのまま食べてももちろん美味しいフルーツ。持ち前の甘味や酸味、香りは実は料理でも大活躍します。今回は、フルーツを使った料理のレシピをご紹介します。主菜から副菜まで、新しい味わいをお楽しみください。
※レシピ提供:JA 晴れの国岡山(https://www.ja-hareoka.or.jp/agri_food/hare_recipe/)
白桃
<一味違う、香り漂うさわやかな食味>
モモの白和え
つくり方(4人分)
1. 木綿豆腐(1/2丁)を水切りをしておく。
2. 桃(2個)を1センチの角切りにする。
3. 青じそ(2枚)を細く刻んでおく。
※ブラックペッパー適量に代用可。
4. ボウルに1.の水切りした豆腐と桃、クリームチーズ(40g)、
ハチミツ(大3)、レモン汁(大1)を加えて和える。
5. 4.を盛りつけ、仕上げに刻んだ青じそをのせたら完成!
<具とソースの両方に白桃を使用!>
やわらか白桃の冷製パスタ
つくり方(2人分)
1. 白桃(1個)半分は一口大に切り、残り半分はボウルに入れてフォークなどでつぶす。
ミニトマト(4個)は1cm角に切り、モッツアレラチーズ(50g)は手で一口大にちぎる。
生ハム(スライス・50g)は、大きければ食べやすい大きさに切る。
2. 大きめのボウルにオリーブ油(大4)・レモン汁(大2)を入れてよく混ぜる。トロリとしたら1.を入れ、
和えて冷蔵庫で冷やしておく。
3. 鍋に水(1.5L)と塩(大1)を入れて強火で熱し、沸騰したらスパゲッティ(160g)を
商品の表示通りに茹でる。ザルにあげて流水で冷やし、水気をキッチンペーパーなどでしっかりと取り、
2.に入れて和える。
※スパゲッティは水っぽくならないよう水気をしっかり取ってからソースと和える。
4. 器に盛り、黒こしょうとすりおろしたレモンの果皮、バジルの葉を適量ちらす。
※スパゲッティはカッペリーニなどの細いものがおすすめ。
ブドウ
<皮が食感に変化をもたらす>
マスカットバター
つくり方(4人分)
【準備】
・アレキサンドリア・オブ・マスカット(200g)は流水で房ごと洗い、粒を軸から外しておく。
・有塩バター(200g)は常温に戻しておく。
・保存用の瓶は煮沸消毒しておく。
1. マスカットを半分に切りタネを取る。
※皮が厚い場合や食感が気になる場合は小さく切る。
2. 1.を耐熱容器に入れ、グラニュー糖(100g)を全量加えて全体を軽く混ぜ、
ラップをしてレンジ 600wで1分30秒加熱する。
3. 2.にレモン汁(小1)を加えて小鍋に入れ、中火で焦がさないようにへらで潰しながら5分煮詰める。
とろみがついたら火からおろし、完全に冷ましておく。
4. バターをボウルに入れ、へらなどで細かくつぶした後、泡立て器でなめらかになるまでよく混ぜる。
5. 4.のバターに3.のマスカットを少しずつ加え、よくかき混ぜる
※日持ちの目安は冷蔵保存で1週間ほど。
※トーストやクラッカー、タルトなどお好みでアレンジも!
<甘酸っぱいピオーネソースがアクセント!>
ピオーネソースと鶏むね肉の
BIGサクサクチキン
つくり方(2人分)
1. 鶏むね肉(大1枚:350g)を観音開きにして麺棒などでたたき1cm程度の厚さにし、
塩こしょうを全体にふる。玉ねぎ(1/4個)は薄切りに、ピオーネ(10粒)は半分に切る。
2. フライパンにオリーブ油(大2)を入れて中火で熱し、1.の鶏肉に片栗粉(大2)を
しっかりまぶして皮側を下にして入れる。
蓋をして2分程度、鶏の皮がカリッと焼けるまで火を通す。裏返してもう片面も焼いて器に取り出す。
※鶏肉は皮側を焼く時にフライパンの蓋をしてしっかりと火を通す。
裏返してからフライパンの蓋を開けたまま焼くと水蒸気でしっとりせずサクサクに。
3. キッチンペーパーでフライパンの余分な油をふき、玉ねぎを入れて軽く炒め、
1.のピオーネ・バルサミコ酢(大2)・醤油(大1)・はちみつ(大1/2)・おろしにんにく(小1/2)を入れて
トロミがつくまで煮詰めて2.にかける。