キリンホールディングス株式会社(社長 磯崎功典)は、協和発酵バイオ株式会社(社長 南方健志、以下協和発酵バイオ)の欧州事務所であるKyowa Hakko Europe GmbH(以下協和発酵ヨーロッパ)を通じて、欧州に当社の独自素材である「プラズマ乳酸菌」の供給範囲を拡大し、グローバル展開を加速します。
協和発酵ヨーロッパは、2021年4月20日(火)より欧州市場で、「IMMUSE(R)」※1ブランドを用いて「プラズマ乳酸菌」の販売活動を開始しました。欧州で「プラズマ乳酸菌」は、欧州企業が製造する食品や飲料、サプリメントなどに簡単に加えられる、付加価値の高い健康素材として販売します。
※1「IMMUSE(R)」は、EU加盟国および日本におけるキリンホールディングス株式会社の登録商標です。また、キ
リンホールディングス株式会社は、「IMMUSE(R)」に関するグローバル特許(EP2659898(IT, ES, FR, DE,
NL, GB))を保有しています。なお「IMMUSE」は、欧州と米国における「プラズマ乳酸菌」の素材として
の販売名です。日本では「iMUSE」の名称で、プラズマ乳酸菌入りの商品を発売しています。
当社は、長年にわたる「発酵・バイオ」に関する研究の中で「プラズマ乳酸菌」を発見しました。「プラズマ乳酸菌」は、健康な人の免疫機能の維持をサポートする乳酸菌です。世界初※2の「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」に働きかける乳酸菌で、「免疫の司令塔」である「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC))を活性化します。活性化された司令塔の指示・命令により、免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防御システムが機能します。
※2 ヒトでpDCに働きかけることが世界で初めて
論文報告された乳酸菌
(PubMed及び医学中央雑誌WEBの掲載情報
に基づく)
また、「プラズマ乳酸菌」の2週間以上の摂取によって、「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」が活性化※3します。
※3 研究レビューの対象となった論文のうち、代
表的な2報を事例として掲示しています。
●担当者コメント
協和発酵ヨーロッパ マーケティング部長 Oksana Ritchie
「プラズマ乳酸菌」(IMMUSE(R))を欧州市場にもお届けできることを大変うれしく思います。「プラズマ乳酸
菌」は、pDCを主に活性化する、本当にユニークな乳酸菌です。このメカニズムにより、「プラズマ乳酸菌」は
従来の乳酸菌や他の免疫系統に働きかける成分とは一線を画しています。さらに、「プラズマ乳酸菌」は加熱処
理された乳酸菌(パラプロバイオティクス)で、成分が安定しており耐熱性もあるため、冷蔵保存の必要があり
ません。
研究の結果、「プラズマ乳酸菌」は安定しており、さまざまな用途に使用できると判断されています。「プラズ
マ乳酸菌」は既に日本とベトナムに加え、「IMMUSETM」※4の名称で米国でも販売されており、グミ、タブレ ット、ヨーグルト、機能性飲料などで展開されています。
※4 「IMMUSE」の詳細については、https://immusehealth.com/ に掲載されています。
当社は、キリングループの35年の免疫研究から生まれた「プラズマ乳酸菌」を国内に加え海外でも展開することで、より多くの方々の「健康」に関する社会課題を解決できると考えています。「プラズマ乳酸菌」配合を通じて、「免疫」をサポートする画期的なアプローチで、欧州のお客様の健康維持にも貢献することを目指します。
●協和発酵ヨーロッパと、海外での「プラズマ乳酸菌」展開について
協和発酵ヨーロッパ(Kyowa Hakko Europe GmbH)と協和発酵バイオイタリア(Kyowa Hakko Bio Italia S.r.l)は、協和発酵バイオの北部中央・南ヨーロッパの販売拠点です。協和発酵バイオは、長年培ってきた最先端の発酵技術を生かし、将来的には高収益型のプロダクトパイプラインを多数持つグローバル・スペシャリティ発酵メーカーを目指します。
キリングループでは、2019年にベトナムで、当社子会社のインターフード社から清涼飲料「KIRIN iMUSE」を発売しました。北米では、協和発酵バイオの米国拠点である協和発酵USA(KYOWA HAKKO BIO U.S.A. INC.)の営業ネットワークを活用し、現地パートナーと協力し、2020年から「IMMUSETM」の名称で「プラズマ乳酸菌」を原料素材として販売しています。
キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV※5先進企業となる」ことを目指しています。その実現に向けて、既存事業の「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、キリングループが長年培ってきた高度な「発酵・バイオ」技術をベースにして、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス領域」(ヘルスサイエンス事業)の立ち上げ、育成を進めています。「ヘルスサイエンス領域」では、「免疫」、「脳機能」、「腸内環境」を重点領域に定め、さまざまな研究開発活動を行っています。
※5 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造