ニュージーランド(NZ)乳業最大手フォンテラ酪農協同組合の日本法人である、フォンテラ ジャパン株式会社(本社:東京都港区代表取締役社長:斎藤 康博)は、2021年5月15日(土)に今回第2回目となる、ニュージーランド産グラスフェッドバターを使った製菓・製パン製品開発コンクール「フォンテラグランプリ2020」の最終審査と表彰式(於 東京製菓学校)を実施しました。昨年12月中旬に一次審査を実施し、応募総数64作品の中から最終審査へ進む14作品を選出。最終審査では、各分野の世界大会等で上位入賞経験のある6名を最終審査員としてお迎えし、入賞作品6作品が選ばれました。ファイナリスト14名にはメダルが授与され、入賞者6名には入賞楯が授与されました。また、今回入賞された方々には、これをきっかけにニュージーランドやグラスフェッドバターの素晴らしさを日本の皆さんに広めるアンバサダー的存在となっていただきたいという思いを込めて、ニュージーランドへの研修旅行をお贈りする予定です。入賞作品は今後入賞者の所属店での販売を通して、一般消費者の皆様にもお楽しみいただけるように致します。
▼フォンテラグランプリ2020実施風景は、youtubeでご覧いただけます。
(アドレス)https://www.youtube.com/watch?v=jnzpalNfQpA
今回のコンクール実施にあたっては、参加者・審査員・運営スタッフの新型コロナウイルスの感染予防対策を万全に施し、再三再四の検討を重ね、安心・安全なグランプリ運営を遂行できますように努めて実施いたしました。
▼フォンテラグランプリ概要
https://www.fonterra.com/jp/ja/latest-news/article_38.html
【入賞作品】
・ギフト菓子部門
〈最優秀賞〉
小野瀬 遵 氏
コンラッド東京
作品名:フォンテラ バター スコッチ
カテゴリー:A
〈優秀賞〉
林 将史 氏
(株)藤井商事
作品名:グラスフェッド・オレンジバウム
カテゴリー:B
〈フォンテラ賞〉
塚本 大暉 氏
ハイアットリージェンシー東京
作品名:Bator de beurre
カテゴリー:A
ギフト菓子部門入賞者:左より
優秀賞:林 将史 氏
最優秀賞:小野瀬 遵 氏
フォンテラ賞:塚本 大暉 氏
□ブレッド部門
〈最優秀賞〉
佐藤 崇裕 氏
佐藤興産 佐藤ベーカリー
作品名:グラスフェッドバターのキャラメルブリオッシュフィユテ
カテゴリー: A
〈優秀賞〉
小嶋 慎一郎 氏
ブーランジュリー グランオム
作品名:Beurre et cassis
カテゴリー:B
〈フォンテラ賞〉
大川 祐季 氏
敷島製パン(株)
作品名:ホーキーポーキーブリオッシュ
カテゴリー:B
ブレッド部門入賞者:左より
フォンテラ賞:大川 祐季 氏
最優秀賞:佐藤 崇裕 氏
優秀賞:小嶋 慎一郎 氏
【最終審査員】
審査員長
Bryn Rowdon(ブリン ロウドン) フォンテラ ジャパン株式会社 経営企画部 部長
ギフト菓子部門担当
特別審査員
横井彩奈 フォンテラ ジャパン株式会社 営業本部アカウントマネージャー
ブレッド部門担当
ギフト菓子部門
藤田浩司氏 ルワンジュ東京 グランシェフ
ワールドペストリーチームチャンピオンシップ
2008年チョコレートピエス部門 優勝
2012年チーム総合 準優勝
岡崎正輝氏 コンラッド東京 ペストリーシェフ
2012年モンディアル・デ・ザール・シュクレ 優勝
中山和大氏 オクシタニアル東京本店 シェフ・パティシエ
2015年クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 準優勝
ギフト菓子部門審査員:左より
審査員長 ブリン ロウドン
藤田浩司氏 岡崎正輝氏 中山和大氏
ブレッド部門
渡辺明生氏 ミル・ヴィラージュ オーナーシェフ
2002年クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー 優勝
渋谷則俊氏 冨士屋 / ぱんや 徳之助 代表取締役
2015年イバカップ 優勝
松田武司氏 スターバックスコーヒージャパン プリンチ事業部
プリンチプロダクション部部長
2017年モンディアル・デュ・パン 準優勝
ブレッド部門審査員:左より
特別審査員 横井彩奈
渡辺明生氏 松田武司氏 渋谷則俊氏
【列席者コメント(敬称略)】
●斎藤康博 フォンテラ ジャパン株式会社 代表取締役社長
今回、フォンテラグランプリ2020のコンテストにご参加ありがとうございました。
この厳しい感染症の中で準備は大変だったと思います。実施に当たって関係者の皆様には感謝を申し上げます。
特に、会場をご提供いただいた東京製菓学校様には、心より御礼申し上げます。こういった環境の中での開催は危ぶまれましたが、コンテストは継続が重要と考え、また参加者のご努力に報いたいと思い実施につながりました。
今回2回目ということで、入賞者を選ぶまでのプロセスが非常に難しい、皆様の作品のレベルが高く、審査にご苦労されたと聞いておりますが、そういったレベルの高いコンテストをやることが大変意味のあることだと思っております。
さて、皆様はフォンテラという会社をそれほどご存じではないかもしれません。牛乳から作られる乳製品の輸出では世界最大の会社でございます。その意味ではメジャーな会社なのですが、消費者に直接お届けする製品は非常に限られ、いわゆるBtoBの原料を、日本の大手メーカーに供給している会社です。ただし、その中でバターは非常に重要なブランド製品で、ニュージーランドの自然豊かな牧草地で育った乳牛から作られるグラスフェッドバターを消費者にお届けする役目を皆様に担っていただき、コンテストの機会を通じて、より一層グラスフェッドバターの認知を広げていきたいと考えています。ニュージーランドの大自然の中で作られた、安心安全なグラスフェッドバターを使って、おいしい製品をたくさん作っていただければと思います。本日はお忙しい中、このコンテストにご参加くださいまして、誠にありがとうございました。
●ヘイミッシュ・クーパー 駐日ニュージーランド大使のレター代読
この度ニュージーランド大使館が「フォンテラグランプリ2020」をご支援できますことを、大変嬉しく存じます。コロナ禍にて数々の催事が中止や延期を余儀なくされる状況のなかで、フォンテラ社が厳格なコロナ対策を講じて本日を迎えられましたことを喜んでおります。
初めて開催されました「フォンテラグランプリ2019」は大きな成功を収めました。その成果を礎に「フォンテラグランプリ」が恒例事業となりますのは大きな励みでございます。牧草飼養(グラスフェッド)で育った牛のミルクから作る高品質な酪農製品は、ニュージーランドの情熱の結集であり、また酪農が多くの国々において持続可能な食生活を成り立たせる基盤であることは、私たちにとりまして幸いでございます。ニュージーランド産の豊富な酪農製品を皆様と分かち合うことができ、喜ばしく、また誇りに思います。
ニュージーランドは、 友好国である日本を始め、世界各国に酪農製品を提供しておりますが、緑の牧草地、肥えた土地、涼しい気候綺麗な水が整いさえすれば、安全で、美味しく、栄養価の高い高品質でエシカルな酪農製品を生産できるというわけでは決してないのです。「フォンテラグランプリ」参加者の皆様はそれを十分ご理解されたうえで、同様の思い、尊敬の念をもって特別な製菓・製バン製品の開発に勤しんでおられると拝察いたします。
最後に、このコンテストに参加された全ての方々、入賞者に心よりお祝いを申し上げます。そして 「フォンテラグランプリ」 の主催者であるフォンテラ社にも賛辞を呈したく存じます。ニュージーランド産乳製品から何が生みだされるのか、楽しみにしております。
【審査総評(敬称略)】
●ギフト菓子部門 岡崎正輝氏 コンラッド東京 ペストリーシェフ
選手の皆様、お疲れ様でした。本来であれば、2021年1月に開催する予定が4ヶ月延びて、モチベーションはどうなるのかと心配だったのですが、無事開催できて良かったです。カテゴリーが2つあり、片方のカテゴリーは、グラスフェッドバター スウィートバター(加塩・無塩)、シートバター(無塩)を高配合した作品、もう片方はグラスフェッド 発酵バター(無塩)を高配合した作品という条件がありましたが、審査をしているなかで、発酵バターを少し足したらもっと香りが増すのでは、と感じたものもありました。
このコンクールは、また来年もあると思いますので、入賞出来なかった方も、より勉強をして、ぜひ次回も挑戦してもらいたいと思います。
●ブレッド部門 松田武司氏 スターバックスコーヒージャパン プリンチ事業部プリンチプロダクション部部長
まずフォンテラ ジャパン株式会社の皆様、今回開催してくださり、選手の皆さんも本当に喜んでいると思います。ありがとうございます。また運営スタッフの皆様、会場を提供くださった東京製菓学校の皆様もありがとうございました。
私は去年、今年と審査員をさせてもらっていますが、去年よりもレベルが上がっている、と感じました。傾向として、やはり「ヴィノワズリー」が多いです。どうしてもバターを使うのでそちらに偏るのですが、今後のことを考えると、応募数も少ない「ハード系」にチャレンジしていただければいいのでは、と個人的に思います。
評価のポイントはやはり、バターの使い方、バターをどう活かしているかです。そして、このコンクールの入賞作品は、商品化するので、生産性、原価、売価といったことも大事になってきます。今後、レシピ開発とこのポイントを意識して、取り組みをしてもらいたいです。今回入賞して商品化されることになった方々も、さらにトライしてもらいたいし、入賞出来なかった方々も、いろいろな世界大会で受賞してきている審査員の審査や評価を受けられるというこの機会は貴重なことで、ここに来られたこと自体がこれからの財産になっていくと思います。
人と人との繋がりを大切にしながら、来年に向けて新たな作品作りの取り組みをしていってください。来年もこの審査員に選ばれるかどうか分かりませんが、また皆さんとお会い出来るのを楽しみにしたいと思います。
【最優秀賞受賞者インタビュー(敬称略)】
・ギフト菓子部門 最優秀賞
小野瀬 遵 氏 コンラッド東京 「フォンテラ バタ-スコッチ」
Q.このフォンテラグランプリにエントリーを決めたきっかけは何ですか?
A.第1回目の最優秀賞をとられた魚住さんが先輩なのでそれがきっかけです。飴細工でコンクールに挑戦したことはあるのですが、味覚系では実績がなく、また、バターとお菓子は切り離せないので、チャレンジしようと思いました。
Q.作品を通してニュージーランド産グラスフェッドバターの何を伝えたかったですか?
A.プレゼンテーションでも審査員の方にお伝えしたのですが、焦がしたときに、他のバターとは比べ物にならないくらい風味、力強い風味があって、これを生かしてお菓子にしようというのは、結構早い段階から決めていました。それが生きるのが作品の「バタースコッチ」でした。時間内にできるかが不安でしたが、テストでも本番でも2分前くらいとぎりぎりで完成できました。
Q.ホテルでの発売はいつ頃を予定していますか?
A.今回、リンゴを使っているので、今すぐではなく、リンゴのシーズンである12月から2月くらいに、と考えたいです。具体的には自分ひとりでは決められないので、会社で検討となりますが、時期的に、バレンタインやホワイトデーなどギフトシーズンでもあるので、そういったときに(限定にはなると思いますが)お客様に喜んでいただけるのではと思います。
Q.最後に受賞のご感想をお願いします。
A.これまでコンクールに優勝したことがなかったので、とてもうれしい気持ちと、ほっとしているという気持ちがあります。今まで本当に勝てなかったので。ありがとうございました。
・ブレッド部門 最優秀賞
佐藤 崇裕 氏 佐藤興産 佐藤ベーカリー 「グラスフェッドバターのキャラメルブリオッシュフィユテ」
Q.昨日の仕込みからお疲れ様でした。受賞された現在のお気持ちをお聞かせください。
A.他の方々の作品を見て、とてもレベルが高いコンクールだと思いましたので、最優秀賞を自分が受賞出来たのが信じられない、というのが正直な気持ちです。でも選んでいただけたことはとても嬉しく光栄に思います。
ブリオッシュフィユテはバターを、半量を生地に、半量を折り込みに使うことでしっとりしながらもサクサクとした食感を楽しめるパンですが、グラスフェッドバターの良さを活かすことが出来ると思い、ブリオッシュフィユテの作品を作ることにしました。
Q.ニュージーランド産グラスフェッドバターに国産バターにはない良さを発見されましたか?
A.このコンクールでグラスフェッドスウィートバターとシートバターを高配合した作品を作りましたが、国産バターを高配合した場合は重くしつこくなってしまうのですが、グラスフェッドバターでは高配合でも軽くあっさり仕上がるところが良いと思いました。あっさりしてはいても、 バターの香りがしっかり香るところもいいところです。また国産バターよりも黄色味を帯びているため、完成したパンも黄色っぽい色味に仕上がるのですが、その色がより美味く見せてくれます。
Q.お店での発売はいつ頃を予定していますか?
A.2021年6月中に販売を開始したいと考えています。以前にも、少量だけグラスフェッドバターを使ったパンを作ったことはありましたが、グラスフェッドバターを高配合したパンを販売するのは、今回が初めてになります。お店に来てくれる一人でも多くのお客様に、グラスフェッドバターの良さ、グラスフェッドバターを使ったパンの美味しさを知ってもらいたい、と思っています。
【グラスフェッドバターとは】
牧草主体による通年の放牧酪農で育てた乳牛から搾られる生乳を原料としたバターです。
(季節的な要因で補助的に配合を与える場合もあります)
【フォンテラ(Fonterra)とは】
フォンテラは世界で5本の指に入る乳業メーカーであると共に、ニュージーランド最大の企業であり、世界最大の乳製品輸出企業でもあります。ニュージーランド国内においては、約10,000戸の酪農家が株主となっている酪農協同組合です。全世界の従業員数は約20,000名、売上高は日本円換算で約1.4兆円(2019/2020会計年度)です。
また、フォンテラはニュージーランドの生乳の80%以上を収集し、世界130カ国以上に乳製品を輸出しており、ニュージーランドの輸出総額の約25%を占めています。フォンテラジャパン株式会社はフォンテラ酪農協同組合の日本法人で、年間約13万トンの乳製品を取り扱っています。