野生のニホンウナギを増やす「うなぎ食べ継ぐプロジェクト(うなつぐプロジェクト)」を立ち上げます

更新日: 2024年05月23日 /提供:エーゼログループ

2024年6月6日に詳細発表予定(プレスリリース、発表会)

株式会社エーゼログループ(代表取締役CEO:牧 大介、本社:岡山県西粟倉村、以下「エーゼログループ」)は、野生のニホンウナギを増やす「うなぎ食べ継ぐプロジェクト(略称:「うなつぐプロジェクト」)」に取り組みます。本日5月22日は、15年前の2009年5月22日、マリアナ海溝付近で初めてニホンウナギの卵が発見された日です。詳細は2024年6月6日新月の日、おそらくマリアナ海溝付近でうなぎの卵が生まれているだろう日にプレスリリースとオンライン発表会にてお知らせにします。


田んぼに放流したシラスウナギ と 放流2週間後のシラスウナギ

このプレスリリースは5月22日に配信しております。
海洋生物学者の塚本勝巳先生率いるチームによってマリアナ海溝付近の海域で世界で初めてうなぎの卵が発見されたのが2009年5月22日(新月の2日前)でした。人類とニホンウナギの歴史に刻まれたこの日をティザーサイトのオープン日として選びました。「うなぎ食べ継ぐプロジェクト(略称:うなつぐプロジェクト)」が始まるのは、2024年6月6日の新月の日です。
この日の夜、長い長い旅の末にマリアナにたどり着いたウナギたちが卵を産んでいるかもしれません。
そしてまた、ウナギたちの長い長い旅がはじまります。この壮大な命のバトンリレーが続くことで、
私たちヒトはその命をいただくことができる。まずそのことをみんなで想うということが、
「うなつぐプロジェクト」のスタート地点。
仲間を増やしながら歩んでいく、長い長い旅の始まりです。

ティザーサイトURL : https://tabe-tsugu.jp/unagi/

■発起人メッセージ

「ウナギやアユがゴヨゴヨといて、その中で子どもたちが楽しく遊んでいる風景」をいつか取り戻したい

2006年の初夏、今から18年前、私(牧)が32歳の時でした。
四万十川の河口近くの川漁師のおじいさん(当時90歳ぐらい)から聞いた言葉が頭に焼き付いて離れません。

戦争中は米が食べれなくてひもじい思いをした。
でもアユもウナギもゴヨゴヨとたくさんおったから、
欲しいだけ捕って食べることができた。
カワウソの親子と人間の子どもたちが一緒に川で泳いでいた。
現在とは比べものにならないほど、かつての川は豊かだった。

私はおじいさんに言いました。
ボクはおじいさんがうらやましい。
自分が子どもの時にそんな川で遊んでみたかった。
そんな素敵な風景を、この目で見てみたかった。

すると、おじいさんはこう言いました。
自分はもう歳なので、再び見ることはないだろう。
でも、あんたはまだ若い。
死ぬまでに時間がある。
その目で見ることができるかもしれない。

私はこのおじいさんの言葉を聞いて勇気をもらいました。
自分の中から未来に向かうエネルギーが湧き上がってくるのを感じました。
確かに、諦めるのはまだ早い。超長期で考えたら可能性はきっとある。
自分が生きているうちに見れないとしても、
これから生まれてくるこどもたちは見れるかもしれない。
ウナギやアユがゴヨゴヨといて、その中で子どもたちが楽しく遊んでいる風景を。

四万十のおじいさんに出会ってから18年が経ちました。
もうこの世におられないかもしれませんが、そのおじいさんの言葉は、50歳のおじさんになった私の頭の中に今もあります。

このおじいさんと出会って3年後の2009年に、私はエーゼログループの前身となる(株)西粟倉・森の学校を設立しました。木材の加工流通事業によって地域の森林・林業を元気にしていきたいと考えて立ち上げた事業ですが、森から始めて、いつか川や海を豊かにしていくことへつなげて行きたいと思い続けていました。
そして、2017年に養鰻事業に参入します。木材加工によって安定的に出るようになった端材を燃料に水槽を加温し、ウナギを養殖する事業を始めました。養鰻事業者になることが、直接鰻を増やすことにつながらないことは分かっていました。しかし、中に飛び込んでその業界のことをよく理解しないと、ウナギを増やして行くための手がかかりはつかめないだろうとも思っていました。中に飛び込んでやってみる。これは未来を拓くために自分がずっと大事にしているスタンスです。

そして、2024年6月6日新月の日に、「うなつぐプロジェクト」を始めます。
中に飛び込み仲間ができて試行錯誤を重ねる中で、機が熟しました。
「ウナギやアユがゴヨゴヨといて、その中で子どもたちが楽しく遊んでいる風景」を取り戻すために、このプロジェクトを立ち上げます。
「うなつぐプロジェクト」の具体的な内容については6月6日に発表します。

うなぎ食べ継ぐプロジェクト 発起人 牧 大介(株式会社エーゼログループ 代表)

■発表会 開催概要
発表会については以下の通り予定をしております。ご関心のある方は是非ご参加ください。

日時:2024年6月6日(木)14:00-15:00

方式:オンライン方式 (ZOOMを利用)

発表者:
 海部 健三 氏(中央大学法学部 教授)
 熱田 安武 氏(あつたや)
 牧 大介(株式会社エーゼログループ 代表取締役CEO)

内容:
 プロジェクト概要
 うなぎの置かれた現状と放流試験について
  今後のスケジュールと報告・施策計画
 ※なお、エーゼログループ本社(岡山県英田郡西粟倉村)にいらっしゃれる方は現地でご参加もいただけます。

お申し込み:
右のURLよりお申し込みください。https://forms.gle/VNeu3mtygRyoa61UA


発表者について:

中央大学法学部 教授 海部 健三(かいふ・けんぞう)氏
1973年東京生まれ。八王子東高校、一橋大学社会学部を卒業後、社会人生活を経て東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了。現在は中央大学法学部教授として科学論や環境学など一般教養科目を担当。河川や沿岸域におけるウナギの生態研究のほか、ウナギを適切に管理する仕組みづくりに関する研究活動を行う。IUCN種の保存委員会ウナギ属魚類専門家グループのメンバーとしてレッドリスト評価を担当。主な著書に「結局、ウナギは食べていいのか問題」(岩波書店)、「日本のウナギ 生態・保全・文化と図鑑」(山と渓谷社 2024年7月出版予定)など。
中央大学法学部 海部研究室ページ https://kaifu-lab.r.chuo-u.ac.jp/wp/


あつたや 熱田 安武(あつた・やすたけ)氏
幼少期から、蜂獲りに狩猟、ウナギ漁、山芋掘りといった野遊びに夢中になったまま現在に至る。習性や生態、捕獲技能にのめり込んだ末、いかに次世代に残すかという父の原点に回帰している。現在は岡山県和気町の里山を拠点に、家族五人での暮らしをたてている。





株式会社エーゼログループ 代表取締役CEO 牧 大介(まき・だいすけ)
1974年京都府宇治市生まれ。京都大学大学院農学研究科卒業後、民間のシンクタンクを経て2005年に株式会社アミタ持続可能経済研究所の設立に参画。森林・林業、山村に関わる新規事業の企画・プロデュースなどを各地で手掛けてきた。2009年に株式会社西粟倉・森の学校を設立し代表取締役、2015年10月にエーゼロ株式会社を設立し代表取締役に就任。2023年4月には森の学校とエーゼロを合併させ株式会社エーゼログループを発足し、代表取締役CEOに就任。


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