露地イチゴの旬を目前にした令和6年5月8日、高槻市内のJAたかつき阿武野支店で、同地区で70年以上に渡り生産されている露地イチゴの品評会が開催されました。天候に左右されるため生産が難しい露地イチゴながら、形、色つや、粒のそろい具合など出色の出来栄えを誇る果実が並び、参加農家が丹精の成果を競い合いました。
高槻市阿武野地区では昭和25年ごろから露地イチゴの栽培がはじまり、現在も約30軒が栽培を続けています。 露地栽培は天候に左右されやすい上、害虫などに荒らされる可能性も高く、収穫量に差が出やすい栽培方法ですが、ビニールハウスで栽培されたイチゴに比べ、香りが高いのが特徴。一般に市場に出回るイチゴの多くはビニールハウスで栽培され、12月ごろから収穫が始まりますが、屋外で栽培される露地イチゴはイチゴ本来の旬である5月に収穫されます。
この日は市内の栽培農家18軒それぞれが選りすぐりのイチゴを出品し、品評会会場には甘い香りが立ち込めました。一次審査で、形、色つや、粒のそろい具合などから5点に絞られた後、糖度計を使用し糖度を測定し最終3点が入賞。優秀賞に畑中章さん(同市宮田町)が選ばれました。審査員を務めた大阪府北部農と緑の総合事務所・企画調整総括の林さんは「今年は日照時間が短く、3月の寒暖差が大きかったなどイチゴ作りに難しい環境だったが、皆さんの努力で多くの素晴らしいイチゴを出品していただきました」と評価していました。
なお、入賞者を含めた同地区のイチゴは、毎週水曜日と日曜日の午前8時から同支店の駐車場で開かれる朝市で販売されています。