川崎市多摩区の伝統野菜「のらぼう菜」 甘みのあるやわらかい食感が特徴!“のらぼう菜”レジェンド 高橋孝次さんの「菅ののらぼう」は市内外からも大人気!…

掲載日: 2021年03月03日 /提供:川崎市 多摩区

 ーベーグル・カステラ・キムチなど、のらぼう菜のレシピや加工品もご紹介ー


のらぼう菜とは



神奈川県では、川崎市北部・小田原市を中心に、埼玉県比企郡、東京都西部地区(あきる野市)でも栽培されている、アブラナ科の一種です。
川崎では8月下旬から9月中旬に種まきをし、2月末から収穫が始まります。4月末まで収穫でき、収穫期間約3か月という生命力の強い野菜です。ナバナと違い苦みが少なく、甘みのあるやわらかい食感が特徴の野菜で、子供でも美味しく食べることができます。

のらぼう菜おすすめの食べ方
のらぼう菜は寒さが強くなるほど大きく成長し、収穫初期(2月下旬~4月中旬)は、糖とアミノ酸を多く含みます。濃く、しっかりとした味なので、生のままサラダにして食べるのがおすすめです。のらぼう菜の濃い味が、柑橘系のさっぱりしたドレッシングとマッチします。終期(4月下旬~)になると、アミノ酸が減る分、より甘みを感じることができるので、おひたしやごま和えにして食べるのがおすすめです。
また、のらぼう菜にはビタミンCも多く含まれ、柑橘系のフルーツやバナナと合わせたスムージーで、手軽に栄養補給できます。

参考:「かわさき菅で育んだのらぼう」2018年


川崎市多摩区の“のらぼう菜”




現在、川崎市では多摩区、麻生区など市中北部の各区で約150軒の農家がのらぼう菜の栽培を手がけており、作付面積は市内で計約3.3ヘクタール、年間の生産量は約13トンにも及び、川崎市を代表する野菜です。
(平成29年度川崎市農業実態調査)

多摩区では、鎌倉時代、源頼朝の妻である北条政子の妹が稲毛三郎重成(多摩区域領主)に嫁いだ際、嫁入り道具のひとつとして鎌倉からのらぼう菜のタネを持ってきて、多摩区・菅地区にのらぼう菜が伝わったと言われています。菅地区ののらぼう菜は「菅ののらぼう」とも言われ、その美味しさから、地域の方はもちろん、市外からも購入に来る方がいるほど人気の食材です。


多摩区の“のらぼう菜”レジェンド 高橋孝次さん(1932~2020)



多摩区・菅地区で、鎌倉時代から農業を営む農家で、代々のらぼう菜を栽培してきました。今では、10アールほどの畑で約3,000株を栽培しています。高橋さんののらぼう菜は、「春になっても茎が太くて甘く、やわらかくて美味しい」と好評で、地域の方はもちろん、遠方からも直売所に買い求めに来る人も多く、1日50~70袋、最盛期には1日100袋が、昼過ぎには売り切れるほどです。

「この地区に伝わるのらぼう菜を広めたい」と、栽培方法を地域の農家に伝授し、2001年には「菅のらぼう保存会」を立ち上げました。また、約40年にわたり市内の小学校で食育の授業を行い、2015年には(公財)日本特産物協会が選ぶ「地域特産物マイスター」に、県内2人目として認定されました。


高橋さんは昨年12月にお亡くなりになり、現在は奥さんとサポートスタッフ2名が受け継ぎ、栽培方法を踏襲しながら高橋さんののらぼう菜を継承しています。

高橋さんの“のらぼう菜”人生が一冊の本に!



多摩区の“のらぼう菜”レジェンド高橋孝次さんが、のらぼう菜の歴史や、栽培のコツ、のらぼう菜を使ったレシピなどをまとめた書籍を2020年10月1日に刊行しました。人生をかけて挑んだのらぼう菜栽培の全てが詰まった書籍です。

『のらぼう菜 太茎多収のコツ』
著者:高橋孝次
発行所:農山漁村文化協会(農文協)
定価:本体1,200円+税

【のらぼう菜販売場所】
川崎市内のJA直売所または、各農家の直売所で購入することができます。営業日・営業時間は、下記にてご確認ください。
JA直売所一覧  https://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/32-12-3-5-0-0-0-0-0-0.html

販売期間:2月中旬~4月中旬
※各直売所により異なりますので、詳しくは各直売所にお問い合わせください。


のらぼう菜を活かしたレシピ・加工品も登場!

◇のらぼう菜料理研究家 大橋ゆりさんおすすめ のらぼう菜レシピ


「ごはんの友」
のらぼう菜料理研究家であり、多摩区内のレストラン「スパイスカレー ムビリンゴ」店主大橋ゆりさんおすすめののらぼう菜レシピ「ごはんの友」。のらぼう菜の葉先から根元まで細かく刻み、塩昆布、ごま油、白ゴマ、白だしを混ぜ合わせ30分から1晩おくと、炊き立てのご飯に合う「ごはんの友」の完成。

参考:高橋孝次(2020)『のらぼう菜 太茎多収のコツ』農山漁村文化協会(農文協)



店舗情報:「スパイスカレー ムビリンゴ」(川崎市多摩区西生田1-9-1)
「スパイスカレームビリンゴ」では、のらぼう菜の旬の季節には、毎年のらぼう菜づくしのプレートやカレーなど、のらぼう菜をたくさん味わえるオリジナルメニューを提供しています。

11:30-16:00、17:30-22:30(月曜・火曜定休、土日は不定休)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
https://www.mviringo.com/

◇生ののらぼう菜を使った「のらぼうサンド」



多摩区の「ベーグルカンパニー」が、毎年3月~4月に発売する「のらぼうサンド」。高橋さんののらぼう菜を勧められ、塩とオリーブオイルのシンプルな味付けに、たっぷりののらぼう菜と、おかかチーズ、くるみ味噌、ベーコン、チーズを挟んだベーグルサンドを開発。


店舗情報:「ベーグルカンパニー」(川崎市多摩区東生田1-2-12-101)
10:00~18:00(日曜・月曜定休)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
https://bagelcompany.jp/

◇老舗和菓子屋がつくる「のらぼう菜カステラ」



多摩区の老舗和菓子屋「菓聖 はしば」がつくる「のらぼう菜カステラ」。「伝統野菜で地域農業を活性化したい」という思いから開発に至りました。のらぼう菜をペースト状にしてカステラ生地に練り込み、緑鮮やかで香り豊かなカステラに。地元ならではのお菓子として、多くの方に愛されいています。


店舗情報:「菓聖 はしば」 (川崎市多摩区菅2-3-8)
9:30~18:30(水曜定休)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

◇春の大人気商品「のらぼうキムチ」


川崎市のあごが落ちるほど旨いと言われるキムチ専門店
「おつけもの慶」が開発。社長の渥美和幸さんが、高橋さんののらぼう菜の美味しさに感動し、コラボが実現しました。多くの方に大好評で、今では春の大人気商品です。


店舗情報: 「おつけもの慶 川崎アゼリア店」(川崎市川崎区駅前本町26-2 アゼリア地下1階 DELICHIKA)
11:00~19:00(年中無休)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
https://www.kei-kimuchi.jp/


《参考情報》

多摩区生まれの新品種「かわさきつや菜」が登場


多摩区の農業技術支援センターにて、のらぼう菜の研究を10年以上重ね、2019年に新品種「川崎市農技1号」が誕生しました。2021年2月、新品種の愛称「かわさきつや菜」とロゴマークが決定し、2月16日よりセレサモス(JAセレサ川崎)等で販売を開始しました。
のらぼう菜と比べ葉や茎に光沢があり、他のナバナに比べると茎の部分に筋が無く、アブラナ科特有の苦みがない、強い甘みが特徴です。

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