沿線全体をホテルに見立てる地域活性化プロジェクト『沿線まるごとホテル』の中核となる宿泊施設が、JR青梅線沿線・東京都奥多摩町に2024年3月から順次開業。ブランド名は「Satologue」に決定。…

更新日: 2023年12月27日 /提供:沿線まるごと

建築設計はguntu(ガンツウ)等を手掛ける堀部安嗣建築設計事務所が担当

全国各地で地域活性化やビジネス創出を支援する株式会社さとゆめ(以下「さとゆめ」)と、東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」)の共同出資会社「沿線まるごと株式会社」は、沿線全体をホテルに見立てる地域活性化プロジェクト「沿線まるごとホテル」の中核となる宿泊施設のブランド名を 「Satologue 」とし、そのブランド名のもと、2024年3月にレストランを開業、2024年度中に客室を開業することを決定しました。なお、レストラン及び客室を含む宿泊施設の設計は、瀬戸内海に浮かぶ移動式ホテルguntu(ガンツウ)等を手掛ける堀部安嗣建築設計事務所が担当、ランドスケープはevam eva yamanashi(エヴァム エヴァ ヤマナシ)の外構等を手掛ける空庭・彌永秀一氏が担当します。



【沿線まるごとホテル プロジェクト概要】
「沿線まるごとホテル」は、JR東日本の駅舎や鉄道施設などを「ホテルのフロント」として活用、沿線集落の古民家(空き家)を「ホテルの客室」に改修、さらには地域住民が「ホテルのキャスト」となって接客・運営を行うことで、「沿線」を「まるごと」楽しめる「ホテル」の世界観を構築し、新たな滞在型観光、マイクロツーリズムの創出を図るものです。
この沿線まるごとホテルプロジェクトの第一弾として、JR東日本・青梅線沿線にて開業準備を進めています。まず、青梅線の「鳩ノ巣駅」近隣エリアに、2024年3月にレストラン棟(客席22席、ラウンジ、焚火あり)とサウナ棟(利用人数6名程度)を開業、2024年度中に客室棟(ツインルーム4室)を開業します。また、2025年には、新たな客室棟(一棟貸し1室、収容人数10名程度)を開業予定です。
その後、JR 青梅線沿線で順次地域拠点を改修・開業していき、沿線が一つのホテルとなる世界観を構築していきます。
図 :「沿線まるごとホテル」第一弾の舞台となるJR青梅線「鳩ノ巣駅」

【 Satologue ブランドについて】
ブランド名 “Satologue”は、Sato(里)とlogue(語り)を組み合わせた造語です。「里とつむぐ、物語。」をタグラインとし、ホテルが立地する地域の歴史・文化・自然や、地域を想う人々の営みといった「里の物語」を、ホテルの空間やサービス、アクティビティの中で感じていただき、その地域がお客様にとって「ふるさと」のような存在になって欲しいという意図を込めています。    
なお、「Satologue」の最初の施設である、青梅線沿線に開業予定の宿泊施設の名称は「Satologue Ome」となります。今後、基本的には「Satologue +鉄道路線名称」という名称ルールにて、事業展開していく予定です。ブランド設計は、NIPPOINIA 小菅 源流の村等の地方創生事業のクリエイティブを多数手がける、クリエイティブディレクター・巽奈緒子氏が担当しました。 



<巽奈緒子(たつみ なおこ)氏 経歴>
2007年東京外国語大学中国語学科卒業後、台湾へ単身渡航し現地就職。2010年電通国華股?公司(現DENTSU ONE)に転職。A Eとして日系企業や日本観光庁などの広告活動を担当。クリエイティブへの転身を志し2013年帰国、桑沢デザイン専門学校夜間部ビジュアルデザイン学科入学。在学中からのアルバイトを経て、佐藤卓デザイン事務所(元T S D O)に就職。Issey Miyakeなどを担当。2018年独立。2023年株式会社グッドステップス設立、同社代表。
写真:巽奈緒子氏 (C)Yosuke Misaki
<ブランド コンセプトについて>
林業が特に栄えた江戸中期から大正末期頃の奥多摩では、筏に木材を積み、街まで運ぶ風景がよく見られたそうです。筏師が巧みに難所を潜り抜けて無事下流まで辿り着けば、木材問屋の集まる要所でそれを受け取る人がいる。そんな川上と川下の交流が当たり前に行われていました。しかし現代、街で流れる川を目にして、その上流にどんな暮らしや風景があるのかと思いを馳せることは、そうないかも知れません。 
昔は近くに感じられていた自然や人とのつながりが見えにくくなっている現代都市の暮らし。そこから抜け出した束の間に、このホテルを訪れてくれる人の「ふるさと」になりたい、そんな願いが出発点でした。「ふるさと」とは何かという問いに向き合いながら、地元の方々にお話を伺ってまわると、土地の情緒に溢れたたくさんのものごとに出会いました。里山の生態系の面白さ、山を読む林業の知恵、兼業の生業により強かに自然と共存してきた暮らし。そんな壮大なスケールのものから、おばあちゃんが手の常在菌だけでつくるピクルスのレシピ、里の毎日が記録された人足帳、林業の匠が書き溜めた森の表情など、ささやかながらも確かな人のいとなみの痕跡に至るまで。私たちは、かき集めた土地のストーリーの語り部となり、ホテルの滞在の中に散りばめ、体験に落とし込みます。そして、豊かな情緒を思い出せるような「物語」を、里とつむいでいきます。
図:「Satologue」ブランドロゴとコンセプトテキスト
【 Satologue Ome 建築設計について】
Satologue Ome のレストラン及び客室を含む宿泊施設の設計は、堀部安嗣建築設計事務所が担当します。堀部安嗣氏は、住宅を中心に、数々の名作を生み出してきた建築家で、2016年に「竹林寺納骨堂」で日本建築学会賞を受賞、瀬戸内海に浮かぶ旅客船guntuの設計も手掛けています。

<堀部安嗣(ほりべ やすし)氏 経歴>
1967年神奈川県横浜市生まれ。1990年筑波大学芸術専門学群環境デザインコース卒業。1991-1994年益子アトリエにて益子義弘に師事。1994年堀部安嗣建築設計事務所を設立。2002年第18回吉岡賞を「牛久のギャラリー」で受賞。2016年日本建築学会賞(作品)を「竹林寺納骨堂」で受賞。2021年2020毎日デザイン賞受賞。2007年-京都造形芸術大学大学院教授。2022年-放送大学教授。
写真:堀部安嗣氏 (C)Tetsuya Ito
<堀部安嗣氏 メッセージ>
あるものを活かす。
私たちは宝物のような価値あるものに身近に囲まれて生活しています。しかしその価値はあまりにも当たり前過ぎて、日頃はなかなか気付くことができないのではないでしょうか。
豊かな自然、風土。美味しい食物、水、空気。あたたかく明るい太陽、爽やかな風。
そして昔建てられた建築物。それらすでにある価値あるものを見つめて、それらに気付くことのできる環境を作り出すのが、これからの建築の大きな役割だと思っています。
古い木造家屋を改築してレストランに甦らせます。そこでは地元の食材を使って懐かしくも新しい料理をふるまいます。古い倉庫を改築して薪サウナを作ります。清らかな川の水を引き込んで水風呂に注ぎます。宿泊棟は新築しますが、太陽の恵みをたくさん享受しながら安定、安心した場所を作ります。夜は火を囲んで、川のせせらぎを聞きながら人と人、人と自然が向き合います。雨の日はさらに増した水の音を聞きながら静かに過ごします。
“ああ、私たちは宝物に囲まれていたんだ。”ということを、訪れるゲストの方に感じていただきたい。
そんな願いを込めて設計を重ねています。
図:「Satologue」の施設イメージ(スケッチ)
【 Satologue Omeランドスケープについて】
Satologue Ome のランドスケープのデザインは、造園チーム・空庭(からにわ)の彌永秀一氏が担当します。彌永秀一氏は、土地の植生や歴史を踏まえた作庭を得意としており、近年の代表作として「evam eva yamanashi」の外構デザイン等があります。

<彌永秀一(やなが しゅういち)氏 経歴>
金沢美術工芸大学油画専攻卒業。石川県で建築内装業や生花店を経験した後、造園会社に就職し庭を学ぶ。山梨県に転居し空庭を設立。個人邸や飲食店の庭、保育園の園庭や大学の自然教育園等の仕事を通して自然と人との関係について考察している。1978年生まれ。広島県福山市出身。
写真:彌永秀一氏 (C)Daisuke Takashige
<彌永秀一氏 メッセージ>
奥多摩には縄文時代から人が暮らし、ナラやカシ等の広葉樹林で狩猟採集生活を送っていました。江戸時代以後林業が盛んになり山にはスギやヒノキが多く植えられ、ホテルが建つ敷地も近くの山林から切り出された木材を川下に筏で流す為の集積所だったそうです。時代の変化と共に流通路は鉄道や自動車に代わり、江戸の町の繁栄や戦後の復興を支えた林業も外国産材に押されて衰退している事は多くの方が知る所です。そして新たな産業として川魚の養殖が進められました。敷地内にある、大小様々なコンクリート製のプールはその養魚場の名残りです。
急峻で深い山々と多くの支流を持つ多摩川の狭間で人々は自然と共に永く暮らして来ました。降る雨を蓄える森の袂で山葵を作り、川沿いに点在する小さな平地で畑をしたり山羊を飼う。水は川下の町へ流れ海へ至りまた雨となって山に降る。そんな水の巡りを感じながら暮らしていた事に思いを馳せると、奥多摩らしい暮らしが本来日本人の持つ根源的な自然観に通じている事に気付かされます。
山と川、そして人が紡いできた物語にこれから新たなページを加えていく事になります。コンクリートの人工物を造ってきた歴史も受け入れ、そこに再び水を流しながら自然に復していきます。自然から多くの物を享受してきたことへのささやかな返礼のように。ここで滞在する事も労働する事も等しく自然への感謝を表現する場となる事を願っています。
多摩川流域とそれに沿うように走る青梅線沿線より。
図:「Satologue」のランドスケープイメージ(スケッチ)
【今後の展開】
沿線まるごと株式会社では、ホテル開発の他に、青梅線沿線に新たな人の流れを生み出すために、観光・交通関係のデータを収集・分析を行い、戦略を策定し、地域自治体とともにその戦略を推進するためのDMO(Destination Management Organization)の機能を担うことを目指します。 
また、沿線まるごと株式会社としては、青梅線沿線での事業展開に留まらず、将来的には「沿線まるごとホテル」等のヒト起点の地域事業モデルを JR 青梅線以外の地域でも検討し、2040年までに JR 東日本管轄エリア内で 30 地域以上での地域特性に応じた地域事業創出を目指していきます。全国にあるローカル沿線の活性化に向けて、地域で活躍する人材の育成にも力を入れていきます。

【ティザーサイト公開】
2024年3月の「satologue」オープンに先駆けてティザーサイトを公開しました。本ブランドのコンセプトや展開するコンテンツのコンセプトなどを発信しております。
図:ティザーサイトTop
U R L:https://satologue.com/

【沿線まるごと株式会社 会社概要】

全国で地方創生事業を手掛ける株式会社さとゆめが、JR東日本スタートアップ株式会社が展開する「JR東日本スタートアッププログラム2020」に応募し、「沿線まるごとホテル」の取り組みが採択されました。
その後、JR東日本スタートアップ株式会社とともに、JR青梅線にて、沿線自治体(青梅市、奥多摩町、小菅村、丹波山村)や地域住民・事業者を巻き込んで、沿線に点在する空き家をホテル客室に改修し、沿線全体を一つのホテルに見立てる沿線活性化事業「沿線まるごとホテル」のサービス開発に取り組み、2021年2月~4月に実証実験を行いました。そして、実証実験が良好な成績・評価を得たことから、「沿線まるごとホテル」の事業化を始めとする、沿線活性化における様々な協業を積極的に推進するために、株式会社さとゆめとJR東日本の共同出資会社「沿線まるごと株式会社」を設立しました。
2023年9月には「第7回ジャパン・ツーリズム・アワード」において最高賞である「国土交通大臣賞」を含む2部門を受賞しました。
所在地:東京都西多摩郡奥多摩町棚澤390
代表者:代表取締役 嶋田俊平
設 立:2021年12月3日
U R L : https://marugotohotel-omeline.com/

【株式会社さとゆめ 会社概要】

さとゆめは、「Local Business Incubator ~人を起点として、地域に事業を生み出す会社~」を、コーポレートアイデンティティとする、地方創生に特化した、伴走型の事業プロデュース会社です。全国 40 エリアで、計画策定から事業の立上げ・運営まで、地域に伴走しています。“700 人の村がひとつのホテルに。” をコンセプトとする「NIPPONIA小菅 源流の村」(山梨県小菅村)、地域と企業の協働による保養地づくり「癒しの森事業」(長野県信濃町)、町単独のアンテナショップ&地域商社事業「かほくらし」(山形県河北町)等、人を起点に様々な事業創出に取り組んでいます。
所在地 : 東京都千代田区九段南3-4-5 ビラ・アペックス市ヶ谷 801
代表者 : 代表取締役 嶋田俊平
設 立 : 2012年4月17日
U R L : https://satoyume.com/

【JR東日本 会社概要】

JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革 2027」で掲げる「くらしづくり」の実現に向けて、“沿線の個性を引き出す”「沿線くらしづくり構想」を推進します。地域の皆さまと歩む沿線を目指し、「鉄道起点」から「ヒト起点」にビジネスストーリーを転換し、新たな成長戦略を推進します。お客さまが求める新しい形での“旅”や“暮らし”を積極的に提案することで、グループ一体となって需要を創造し、経済活性・地方創生に繋げていきます。
所在地 : 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号
代表者 : 代表取締役社長 深澤祐二
設 立 : 1987年4月1日
U R L : https://www.jreast.co.jp/

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