令和5年10~12月期の配合飼料供給価格改定について
全国農業協同組合連合会(JA全農)
令和5年10~12月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和5年7~9月期に対し、全国全畜種総平均トン当り2,700円値下げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1.飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、6月には600セント/ブッシェル台で推移していましたが、米国産地で生育に適した天候になったことや中国向け輸出成約が低調であったことなどにより、7月には490セント/ブッシェル前後まで下落しました。その後、米国産地で高温乾燥懸念から一時530セント/ブッシェル前後まで上昇したものの、7月下旬以降受粉に適した天候が続いたことから軟調な展開となり、現在は480セント/ブッシェル台で推移しています。
今後は、新穀の豊作が期待されるものの、収穫期の天候に左右される相場展開が見込まれます。
2.大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、6月上旬には450ドル/トン前後でしたが、米国農務省が6月30日に発表した新穀の作付面積が予想を大きく下回ったことや米国産地での乾燥懸念などから470ドル/トン台まで上昇しました。その後、生育に適した天候となったことなどから下落し、現在は440ドル/トン前後で推移しています。
国内大豆粕価格は、主要輸入相手国である中国の大豆粕価格が中国国内の堅調な需要により上昇していることに加え、為替円安の影響などから値上がりが見込まれます。
3.海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、5月には50ドル/トン台で推移していましたが、原油相場が下落したことなどから48ドル/トン前後まで値下がりしました。その後、8月に入り原油相場が堅調に推移していることに加え、パナマ運河での水位低下に伴う滞船日数の増加により船腹需給が引き締まったことなどから上昇し、現在は55ドル/トンを超える水準で推移しています。
今後は、北米産新穀の輸出が本格化することから、海上運賃は堅調に推移することが見込まれます。
4.外国為替
外国為替は、6月上旬には139円前後で推移していましたが、米国では経済指標が好調なことから利上げを実施している一方、日本は金融緩和政策を継続しており、日米金利差が拡大した状態が続いていることなどから円安がすすみ、現在は148円前後で推移しています。
今後は、日米金利差は引き続き円安要因となるものの、米国において金利上昇による景気悪化懸念もあることなどから、一進一退の相場展開が見込まれます。
以上から、外国為替の円安や国内大豆粕価格の値上げはあるものの、とうもろこしのシカゴ定期が値下がりしていることなどから、令和5年10~12月期の配合飼料価格は前期に比べ値下げとなります。