吟醸香を生産する滋賀県オリジナル新規清酒醸造用酵母の分譲について
2022年10月24日背景
工業技術総合センター(栗東市)では、「近江の地酒」の魅力向上を目差し吟醸香(果実様の香り)を高生産する県オリジナル酵母の開発に取り組んできました。平成30年から開発に着手し、ビーカーレベルでの試験、次いで日本酒醸造試験施設*)での小規模醸造試験を経て、令和2年および3年の冬季に開発酵母の実地評価のための醸造試験を醸造所と共同で実施、その結果、華やかな果実様の香りがする清酒醸造が可能となりました。この成果を踏まえ、今年度の冬季の製造から県内醸造所へ果実様の吟醸香を高生産する2種(リンゴ・洋ナシ様とバナナ・メロン様)の新規酵母のラインナップでの提供を開始します。
*) 地方創生拠点整備交付金(内閣府)を活用して、平成29年度に酒米15kgで試験可能な醸造施設を整備
酵母の特徴
●IRCS-SC9 plus
平成12年から醸造用酵母として醸造所に提供してきた酵母 (酵母番号:KKK-S)を改良したもの
〇吟醸香(リンゴ様・洋ナシ様の果実の香り)を多く生産して華やかでフルーティー感のある清酒に
〇甘味が感じられ芳醇な清酒造りが可能に
※ 各醸造所の造り方にもよります。
●IRCS-003F5 plus
平成16年頃に開発して醸造所に提供してきた低温でもよく発酵してアルコール耐性に強い酵母 (酵母番号:IRCS-YS003)を改良したもの
〇吟醸香(バナナ様・メロン様の果実の香り)を多く生産して華やかでフルーティー感のある清酒に
〇旨味が感じられ芳醇な清酒造りが可能に
今後の予定
新規酵母の普及を進め、滋賀の米・水・造り手と酵母の良さをアピールする、オール滋賀での新製品開発を県酒造組合ならびに各醸造所と協働で進め、本県の地酒の高付加価値化・ブランド力向上を推進し、さらに魅力ある「近江の地酒」を消費者に提供できるよう支援していきます。
■新規酵母での製造予定醸造所
畑酒造(東近江市)岡村本家(豊郷町)竹内酒造(湖南市)美富久酒造(甲賀市)喜多酒造(東近江市)
- お問い合わせ
- 工業技術総合センター(担当:岡田、松尾)
- 電話番号:077-558-1500









