「カレーライス物価指数(2026年基準改定)」調査 ―2026年8月
株式会社帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。
SUMMARY
カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や水道光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価(平均、2026年基準改定)」は、2026年8月で1食あたり348円となった。前月(349円)から1円低下し、2カ月連続で300円台半ばとなった。ただ、東京都区部の物価動向を基に算定した前回調査時点の予想値(346円)を2円上回り、低下ペースは想定より緩やかなものとなった。
[注1]カレーライス物価:カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数。
ビーフカレー・ポークカレー・チキンカレー・シーフードカレー・野菜カレーの5メニュー平均値
各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。
カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に、2020年平均=100とした価格推移
[注2]カレーライス物価は2026年1月に調査対象・容量を一部変更し、2015年1月分まで遡及改定を行っている
2026年8月のカレーライス物価:1食348円 コメ安が恩恵となるも、予想値を上回る
カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や水道光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価(平均、2026年基準改定)」は、2026年8月時点で1食あたり348円となった。前月(349円)から1円低下し、2カ月連続で300円台半ばとなった。ただ、東京都区部の物価動向を基に予想した前回調査時点の予想値(346円)を2円上回り、低下ペースは想定より緩やかなものとなった。
2026年前半に大きく進んだコメ価格の下落が強い押し下げ要因となった一方で、天候不順の影響を受けた野菜価格の高止まりなどが重荷となり、物価全体の下落幅を抑制した。コメ価格高騰に端を発した「令和のコメ騒動」の影響は大きく後退したものの、依然として食材価格全般はコロナ禍前を上回る水準で推移している。
メニュー別では、「シーフードカレー」が501円と最も高く、「ビーフカレー」が459円で続いた。一方、最も安いメニューは「チキンカレー」の215円だった。
前年同月との比較では、5メニュー中3メニューで前年を上回った。最も値上げ幅が大きかったメニューは「シーフードカレー」(+6円)だったものの、値上げ幅は2024年2月以来2年6カ月ぶりに10円を下回った。「ビーフカレー(総合)」(+5円)、「ポークカレー(総合)」(+3円)も、それぞれ値上げ幅が10円未満で推移した。シーフードカレーやビーフカレーなど高単価メニューを中心に上昇が続くものの、コメ安や一部食材価格の落ち着きを背景に、上昇率は前年までの急騰局面に比べて縮小傾向が続く。値下がりしたメニューは「チキンカレー」と「野菜カレー」(各▲4円)で、チキンカレーは2カ月連続、野菜カレーは3カ月連続で前年を下回った。前年に記録的な高値が続いた鶏肉や一部野菜でも供給回復が進んだことで、価格上昇圧力は緩和されつつある。
各メニューの平均値から算出した「カレーライス物価指数(2020年平均=100)」は、2026年8月は135.9だった。依然として過去最高圏で推移しているものの、上昇トレンドの鈍化傾向が鮮明となった。
今後の見通し:2026年9月=342円予想
コメ安継続で下落基調 焦点は野菜価格
全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した2026年9月のカレーライス物価は1食あたり平均342円前後で推移する見通しとなった。8月から6円下落し、これまで続いた値上げ傾向から一転して前年比低下に転じる見通し。コメ店頭価格の急落に加え、安定した野菜供給、電気・ガス料金の抑制などが影響し、カレーライス物価は当面の間低下傾向が続く。特に、カレーライス物価の多くを占める「コメ」価格は、古米が5kg2000円以下で販売されるケースがみられるほか、令和8年産の銘柄米も需給緩和などを背景に5kg3000円以下の店頭価格も常態化しており、年末にかけて一層の低下傾向が継続するとみられる。
先行きとしては、2026年後半はコメ安による押し下げ効果が強まり、カレーライス物価は2025年夏以来の安値圏へ向かう可能性が高い。食卓の物価高は続くものの、ピーク時と比べれば家計負担は徐々に緩和へ向かうとみられる。
一方で、特に関東地方を中心とした記録的な長雨の影響で、ブロッコリーをはじめとする葉物野菜で大幅な値上がりが見込まれ、物価低下を妨げる可能性がある。タマネギやジャガイモ、ニンジンといった主要食材価格への影響は限定的と予想されるものの、ジャガイモなどは来期用の種芋不足も聞かれ、27年以降に再び値上がり傾向に転じる可能性がある。









