一般社団法人日本AI導入支援協会(所在地:東京都港区、代表理事:藤岡充輝)は、製造業やサービス業など11業種の企業を含む150社のセミナー申込者を対象とした「企業のAI活用ニーズ・課題調査」の初回レポートを公表します。本号は、2026年4月1日から9月30日までに企業向けAI活用セミナーへ申し込んだ150社を対象に、「現在抱えている具体的な課題」などに寄せられた166件の回答を分析したものです。本協会の設立から半年に当たる今回は、2026年度上半期の結果を報告します。
今期(2026年4月~9月)の調査対象とAI活用ニーズの概要

調査対象は、150社に所属するセミナー申込者175人です。主な業種は製造業28社、サービス業24社、IT・ソフトウェア・通信20社、卸売・小売・商社・EC19社。このほか、人材・BPO、建設・不動産、医療・介護・福祉、教育・出版、士業、運輸・物流、金融・投資を含む11業種の企業から申込みがありました。
申込者の役職は、一般社員・役職なし71人、課長・係長・主任級50人、経営者・役員・事業主29人、部長級18人、未回答7人でした。このうち、141社166人の回答を業務課題の分析対象としています。
今期の調査では、日常業務へのAI活用について、次の傾向が見られました。
- 効率化したい業務は、資料作成とデータ処理がともに37%で上位。活用方法では、42%が業務自動化・ツール連携、26%がツールの開発・改修に言及。
- 活用方法・着手手順を知りたいという回答が6割。「導入済み」の回答者では78%。
- 役職別では、経営者・役員・事業主の71%、部長級の67%が、活用方法・着手手順を知りたいと回答。
効率化したい業務では資料作成・データ処理が上位

効率化したい業務として、回答者の37%が資料・文書・スライド作成を、同じく37%が表計算・データ集計・分析・転記を挙げました。資料やデータを作成する工程に加え、作成後の手直しや定期的な更新、転記の負担を減らしたいという回答も見られます。
具体的には、AIが生成したスライドの修正に時間がかかるという指摘や、定型レポートのひな形に最新の数値・グラフを自動反映したいという回答がありました。複数のシステムへの重複入力をなくしたいという声も寄せられています。
これらの回答からは、AIによる生成だけでなく、所定の形式への修正、定期更新、システム間の転記まで含めて、作業負担を減らしたいという意向がうかがえます。
業務自動化・ツール連携に42%、ツールの開発・改修に26%が言及

AIの活用方法については、回答者の42%が業務の自動化やツール同士の連携を、26%がツールやシステムの開発・改修を挙げました。自社の業務に合った仕組みやツールを作成・改善したいという回答が見られます。
具体的には、ファイルの検知から分析・保存までを自動化したい、表計算ソフトで運用している申請受付の仕組みを自社で作り直したいといった回答がありました。既存プログラムの内容確認・修正・テスト・手順書作成にAIを活用したいという声も寄せられています。
AI活用上の課題として「活用方法・着手手順を知りたい」という回答が6割

「活用方法・着手手順を知りたい」が60%で最多となりました。次いで、セキュリティ・情報管理・法務・社内ルールが17%、利用中のAIの使いこなしが15%、社内への展開・定着・利用者間の格差が14%でした。
情報管理に関する回答には、AIで作成したツールを社内で利用する際の基準が定まらないことや、権限管理・ログ監視・保守などの負担を懸念する内容がありました。安全性の確認に加え、継続して利用するための管理作業も課題として挙げられています。
一方、出力の品質・指示方法への言及は10%、効果・費用対効果は6%でした。今回の自由記述では、出力品質や効果の評価に比べ、自社の仕事にどう使うかを知りたいという回答が多く見られます。情報管理や社内定着に関する回答もあり、個人が使い方を学ぶことと、組織として利用を管理・推進することの両面に課題が表れています。
「導入済み」を選択した回答者の78%が活用方法の説明を希望

「導入済み」と回答した層でも、業務での使い方を学びたいという意向が強く表れています。活用方法・着手手順を知りたいという回答は、「導入済み」の層で78%となり、情報収集・比較検討・導入予定の層の56%を上回りました。
情報収集・比較検討・導入予定の回答者からは、活用事例や導入時の利用ルールを知りたいという声がありました。一方、「導入済み」の回答者からは、担当者ごとに使い方が異なり、部署の業務改善につなげる方法を学びたいという声が寄せられています。
今回の結果は、導入後にも、部署の仕事に合わせて活用方法を具体化する支援が求められていることを示しています。
経営者の71%、部長級の67%が活用方法の説明を希望

※各割合は、各役職の回答者を母数とした言及割合です。同一企業内の上司と部下を比較したものではなく、業種や導入・検討状況などの構成をそろえた比較でもありません。
役職別に見ると、「活用方法・着手手順を知りたい」に分類された回答は、経営者・役員・事業主で71%、部長級で67%、課長・係長・主任級で48%、一般社員・役職なしで62%となり、いずれの役職でも最多でした。AIを実務でどう使うかを学びたいという意向は、経営層から現場担当者まで共通しています。
一方で、組織での利用に関する課題には、役職による違いも見られました。部長級では、社内への展開・定着・利用者間の格差に言及した割合が33%で、課長・係長・主任級の17%、一般社員・役職なしの13%を上回っています。具体的には、一部の担当者への導入から社内全体へ利用を広げたい、社員による活用の差を縮めたいという回答がありました。
課長・係長・主任級では、セキュリティ・情報管理・法務・社内ルールへの言及が25%となり、他の役職の11~14%を上回りました。会社が利用を認めたAIであっても、売上や原価のデータを扱う際の注意点が分からない、顧客情報や社内データをどこまで扱わせてよいか判断できないという回答が寄せられています。利用するツールが決まっていても、業務情報の取扱いには判断上の課題が残っています。
今回の比較からは、AIの使い方を理解するという共通の課題に加え、部長級では「社員への展開」、課長・係長・主任級では「実務での情報の取扱い」が、相対的に強く表れていることが分かります。AI活用に関する課題を、操作や知識の習得だけで捉えると、こうした組織運用上の違いを見落とすことになります。
企業における生成AI活用の現在位置と日本AI導入支援協会の見解
今回の調査結果を見ると、企業におけるAIの導入と、業務での活用・定着は分けて捉える必要があります。「導入済み」の回答者でも78%が活用方法・着手手順を知りたいと回答しており、導入後にも、実際の仕事でどう使うかを具体化する課題が残っています。導入済みであることを、そのまま活用が定着した状態と見なすのはリスクがあります。
また、自動化したい作業が決まっており、AIで実現できそうだという見当もついているものの、実際に業務へ組み込むための手順や、ツール同士の連携方法が分からないという回答も多く見られました。このことから、AIの使いこなしに関する課題には、AI単体の利用方法の理解に加え、複数の作業やシステムをつなぐ業務設計の難しさも含まれていると考えられます。
加えて、AIに対する課題意識には、役職による違いも表れています。部長級では「社内への展開・定着」への関心が高く、課長・係長・主任級では「情報管理や利用ルール」への言及が相対的に多く見られました。
こうした回答からは、部長級が、部下の業務効率をどう高めるかという視点でAI活用を捉えていることがうかがえます。一方、課長・係長・主任級から寄せられた、会社が認めたAIでも業務データを扱ってよいか判断できないという回答には、リスクへの懸念から利用を進めにくい状況が表れています。ここには、部署全体への活用を進める立場と、実務で情報の取扱いを判断する立場という、組織内での役割の違いが反映されていると考えられます。
これらの回答は、AI導入において、ツールの利用許可と、実務で使える基準の整備が別の課題であることを示しています。社員の習熟に加え、扱える情報の範囲や利用の判断基準を組織として整備し、共有することが、日常業務にAIを組み込む上で重要といえます。
調査対象と調査概要
・調査名称:企業のAI活用ニーズ・課題調査 2026年度上半期
・調査主体:一般社団法人日本AI導入支援協会
・集計期間:2026年4月1日~9月30日
・調査対象:企業向けAI活用セミナー申込者175人(150社)
・分析対象:自社のAI活用に関する課題が記載された166人の回答
・調査方法:申込フォームの「現在抱えている具体的な課題」などの回答を、対象業務・活用方法・課題に分類して集計
・集計方法:重複申込を統合し、1人として集計。複数の項目に該当する回答は各項目に計上。割合は各集計の対象人数を基に算出し、小数点以下を四捨五入
・導入・検討状況別の集計:2026年7月23日以降の申込時の選択式回答に基づき、回答のある128人を集計。同じ企業・回答者の導入前後を追跡した比較ではない
※各割合は、回答に記載されたニーズや課題への言及割合です。記載のない項目について課題がないことを示すものではありません。本調査は本協会のセミナー申込者を対象としており、国内企業全体の導入率、需要の規模や購入意向を推計するものではありません。開催テーマや回答者の業種・役職の構成による影響も踏まえて捉える必要があります。初回の本号は上半期の集計であり、前期との比較は行っていません。
日本AI導入支援協会について
日本AI導入支援協会は、企業へのDX・AI導入支援を目的として2026年4月に設立された一般社団法人です。AI活用に関するセミナー・研修の企画運営、AI導入に関するガイドライン策定支援と認定制度の運営、企業のデジタル化推進に関する調査研究・情報提供に取り組んでいます。また、国内AI企業・サービスのデータベース「AI CATALOG」のほか、公式メディア「AI JOURNAL」、AI求人情報サイト「AI求人ナビ」、AIの検定資格「AI人材検定」を運営し、AIサービスの紹介・マッチングから人材育成・キャリア形成支援まで、企業と個人のAI活用を支援しています。
協会概要
名称:一般社団法人日本AI導入支援協会
英語表記:Japan AI Implementation Support Association(略称:J-AIX)
所在地:〒107-0061 東京都港区北青山一丁目3番1号 アールキューブ青山3階
代表者:代表理事 藤岡充輝
設立:2026年4月1日
URL:https://j-aix.or.jp
公式メディア:AI JOURNAL https://j-aix.or.jp/journal/
AIサービスデータベース:AI CATALOG https://j-aix.or.jp/catalog/
AI求人情報サイト:AI求人ナビ https://j-aix.or.jp/jobs/
AI検定資格:AI人材検定 https://j-aix.or.jp/kentei/
事業内容:企業に対するDXおよびAI導入の支援、AI活用に関するセミナー・研修の企画運営、AI導入に関するガイドライン策定支援および認定制度の運営、企業のデジタル化推進に関する調査研究および情報提供、AIサービスの紹介およびマッチング、人材育成・能力開発・キャリア形成支援
【関連リンク】
AI導入支援コンサルティング
https://j-aix.or.jp/ai-consulting/
企業向けAI研修
https://j-aix.or.jp/training/
企業向けAI活用オンラインセミナー
https://j-aix.or.jp/seminar/
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調査データの集計・分析・レポート制作
合同会社efu|LLM・SEO・広告運用・CRMのAIマーケティング
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座一丁目22番11号 銀座大竹ビジデンス2階
URL:https://efu-llc.jp/
本件に関するお問い合わせ
一般社団法人日本AI導入支援協会
お問い合わせフォーム:https://j-aix.or.jp/contact/









