全農統一フレコンの拡大を核とした米穀の物流改善について ~東洋ライス株式会社と連動してSDGsに貢献~
全国農業協同組合連合会(JA全農)
全農は、米穀の物流の安定的な確保、流通経費の抑制および環境負荷の低減をはかることを目的に、フレキシブルコンテナバッグ(以下、フレコン)流通の拡大を目指すとともに、これまで産地ごとに独自規格となっているフレコンについて、全国統一規格で複数回使用可能なフレコン(以下、全農統一フレコン)を開発し、令和3年産から取り扱いをスタートしています。
このたび、東洋ライス株式会社様(以下、東洋ライス)が新事業「紙袋からフレコン化(創立60周年『SDGs貢献のための未来創生事業』)」を始動されることから、全農においてもこの新事業とも連動しながら、全農統一フレコンの拡大をはかります。
このことにより、トラック乗務員の手作業による荷役と、紙袋・ワンウェイ(使い捨て)フレコンの資材の廃棄を軽減し、環境問題をはじめとするSDGsへの貢献をすすめていきます。
現在、全農が取り扱う年間約200万トンの主食うるち米の5割が紙袋での流通となっており、(1)生産現場では個袋による収穫・乾燥・一時保管などの作業に相当な労力を費やしていること、(2)トラック乗務員不足が深刻化していることに加え、手作業による荷役が重労働となっていること、(3)精米工場での手作業による荷役や張り込みが重労働となっていること、(4)解袋後の紙袋の一部が廃棄されること、が課題となっています。また、残り5割のフレコン流通においても、(1)産地ごとに量目・形状が異なっており販売先倉庫における保管効率が低下していること、(2)精米工場から各産地への空きフレコンが円滑に回収されていないこと、(3)ワンウェイフレコンが拡大し資材の廃棄が増加していること、が課題となっています。
全農は、フレコン流通の拡大によりこれらの課題を解消することとし、フレコン流通比率を5割から6割に拡大することを目標として掲げました。令和2年度に全農統一フレコンを開発し、令和3年産より取り扱いを開始しています(実績12万枚(約13万トン))。今後、令和4年産では20万枚(約22万トン)に拡大し、令和12年産までに全農が取り扱うすべてのフレコンを全農統一フレコンに切り替えることを目指します。
今後の拡大策として、(1)新事業として東洋ライスが普及するフレコン充填機に全農統一フレコンを推進、(2)全農グループが有する全国23か所(予定含む)の広域集出荷施設を活用し、全農統一フレコンでの農産物検査、効率的な保管、空きフレコンの回収費用の削減、(3)精米工場での製造合理化に向けた販売先への普及推進に取り組みます。
全農は、全農統一フレコンの拡大を通じて、米穀の物流改善と環境問題をはじめとする社会貢献をすすめるとともに、流通経費の抑制を通じ生産者の営農の安定をはかっていきます。