※1 ニュースリリースNo.14765参照
※2 屋根や舗装面に降った雨水を下水道へ直接流さず、一時的に溜めてゆっくりと地中に浸透させる植栽空間。都市部の水害(浸水)を防ぐ「グリーンインフラ」として注目されている。https://www.suntory.co.jp/news/article/2026/mt_items/15053-2.pdf参照。
※3 自然環境が持つ多様な機能を活用し、雨水浸透、流出抑制、生物多様性保全、景観向上、気候変動等の社会課題の解決を図る考え方や取り組みで、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング向上に貢献するもの
※4 ここでは「流域内での土地改変や取水に伴う水への負(ネガティブ)の影響に対し、水を育む自然の保全や水源涵養、再生水の活用などにより、流域内に同等以上の水を還元すること」と定義
1.背景
熊本は豊かな地下水に恵まれた地域ですが、一方で近年は、開発に伴う田畑の減少により、地下水涵養機能の低下と水害リスクの増大が懸念されています。こうした課題に対し、雨水の地中浸透を促進することで地下水を涵養するグリーンインフラが注目されています。グリーンインフラの一つである「雨庭」は開発地にも設置可能であり、水害リスク軽減・ヒートアイランド対策・景観形成・生物多様性の向上など、多面的な効果が期待されています。
この雨庭について、2025年3月に産学金6組織による連携のもと「熊本ウォーターポジティブ・アクション※2」を始動し、熊本地域の自治体・企業・住民など多様な主体が参加できる仕組みづくりを進めてきました。また、2026年3月に熊本県が発表した「第二期熊本地域地下水総合保全管理計画」においても、涵養域の減少を抑制する方策等の一つとして、雨庭などの調査研究に取り組むこととされました。また、自治体との勉強会開催や、菊陽町・嘉島町などへの雨庭の実装支援を行い、3カ所の設置に至りました。
こうした取り組みをさらに拡大し、地域全体で「ウォーターポジティブ」を推進するため、熊本WPDCを設立しました。今後は、多様なステークホルダーと連携し、「水の国くまもと」の持続可能な未来に向けて活動を加速していきます。
2.熊本WPDCについて
熊本WPDCは、「ウォーターポジティブ」の認知拡大・啓発に加え、雨庭のさらなる普及・設置支援、効果測定、標準化に取り組みます。さらには、熊本県の地下水涵養指針など、自治体施策への反映も目指します。また、行政による支援や金融機関の優遇措置のほか、グリーンインフラが持つ地下水涵養量等の価値をクレジット化する新たな資金メカニズムの検討を進め、企業や住民を含めた幅広い参画を促進していきます。
設立にあたり会員募集も行います。会員は、活動趣旨に賛同する一般会員、地下水涵養に取り組む宣言会員、雨庭の施工を担う技術会員、センター運営に参画する共創会員など複数区分を設け、自治体とも連携しながら、熊本地域におけるグリーンインフラの普及と社会実装を加速していきます。
3.今後の展開
2026年7月に熊本市で開催予定の「ネイチャーポジティブ世界サミット 2026※5」の「Nature Tech!」会場で、キックオフイベントを開催予定です。
※5 ネイチャーポジティブとは自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること。本サミットはネイチャーポジティブの目標を推進し、自然と経済の好循環を実現する世界の企業・金融機関・政府・研究者・地域の実践者が議論する国際会議。
水資源の枯渇や森林破壊など、自然資本の劣化が社会やビジネスの持続的成長への脅威となる中、地域や流域の多様なステークホルダーが連携し、資金を投入して水資源など自然の価値を守る持続可能な仕組みづくりが国内外で求められています。熊本WPDCは、活動を通じて得られる知見を広く共有し、熊本発の先進モデルとして、国内外の「ネイチャーポジティブ」および「ウォーターポジティブ」の潮流への貢献を目指します。
法人概要
名称
一般社団法人「熊本ウォーターポジティブ・デザインセンター」
所在地
熊本県熊本市熊本県立大学内
設立日
2026年4月21日(火)
代表理事
島谷 幸宏(熊本県立大学 特別教授)
理事
石橋 康弘(熊本県立大学 環境共生学部 教授)
皆川 朋子(熊本大学大学院 先端科学研究部 教授)
大野 隆(株式会社肥後銀行 地域振興部長)
瀬田 玄通(サントリーホールディングス株式会社 サステナビリティ経営推進本部 部長)
原口 真(MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社 サステナビリティ推進部 フェロー)
URL
https://www.midori-lab.pu-kumamoto.ac.jp/kumamoto-wpdc

以上









