
株式会社帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。
SUMMARY
2026年3月のカレーライス物価平均は1食362円(前年339円)となった。
調査開始以降で最高値を更新した1月(370円)からは8円低下し、2カ月連続で前月を下回った。なお、2025年度平均は353円/1食。
2026年4月のカレーライス物価は1食あたり平均361円前後で推移する見通し。足元では中東情勢の悪化による原油・ナフサ高が広く食品価格にも拡がるとみられ、食卓における物価高は夏以降に反転上昇する可能性が出ている。
株式会社帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。
[注1]カレーライス物価:カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数。
ビーフカレー・ポークカレー・チキンカレー・シーフードカレー・野菜カレーの5メニュー平均値
各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。
カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に、2020年平均=100とした価格推移
[注2]カレーライス物価は2026年1月に調査対象・容量を一部変更し、2015年1月分まで遡及改定を行っている
2026年3月のカレーライス物価:1食362円 具材高が進行、「コメ価格下落」の恩恵薄く
カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や水道光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価(平均、2026年基準改定)」は、2026年3月平均で1食あたり362円となり、前年(2025年3月:339円)からは+23円・6.8%の上昇となった。前年に比べると値上げ幅は2024年7月以来の低水準となり、食卓における急激な物価高はピークアウトしつつある。なお、2025年度平均は353円/1食で、10年間で100円・約4割上昇した。
調査開始以降で最高値を更新した2026年1月(370円)からは8円低下し、2カ月連続で前月を下回った。全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した、前月調査時点の予想値(363円)を1円下回った。


前年同月からの推移では、全メニューで前年を上回った。ただ、メニューによって値上げ幅は異なり、最も値上げ率が高いメニューは「チキンカレー」で、前年から10.2%値上がりした。ただ、20%を超えた2025年12月のほか、30%を超える急ピッチな値上げが続いた2025年6~7月に比べると、急激な値上げ傾向は落ち着いてきた。全メニューのうち前年からの変動幅が最も小さいのは「野菜カレー」で、前年から+6円・2.3%の上昇にとどまった。
カレーライス物価を強く押し上げてきた「コメ」は、政府による「備蓄米」放出のほか、令和7年産米の流通で需給も徐々に落ちついている。そのため、最高値から1割前後値を下げ、カレーライス物価の上昇を大きく抑制する要因となった。他方で、ジャガイモやタマネギなど主要な野菜類の多くは引き続き平年を上回る高値となっているほか、中東情勢の悪化で輸入豚肉のほか、輸入飼料への依存度が高い国産豚肉や鶏肉などでも価格の高止まりが鮮明となった。コメ安の恩恵がカレー具材高で相殺され、カレーライス物価全体は緩やかな低下にとどまった。
各メニューのカレーライス物価平均を基に、2020年平均を基準(100)とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2026年3月の指数は139.8だった。指数ベースで140を下回るのは、2025年10月以来、5カ月ぶりとなる。
今後の見通し:2026年4月=361円台予想 「令和のコメ騒動」影響低下も、夏以降に再び上昇の可能性
全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した2026年4月のカレーライス物価は1食あたり平均361円前後で推移する見通しとなった。3月から1円低下し、3カ月連続で前月を下回る。また、前年からの値上げ幅は18円(343円→361円)となり、「令和のコメ騒動」が本格化する以前の2024年6月以来、1年10カ月ぶりに値上げ幅10円台での推移となった。2025年内に本格化した「カレーショック」の波は、足元では落ち着きを見せつつある。
2025年に発生したコメの急激な価格高騰が収束し、前年を大幅に下回る水準が続いていることが、カレーライス物価をはじめ食卓の大きなコスト低下要因となる。他方で、カレーライスの主役である基礎野菜のタマネギなどは、前年の記録的な高温と干ばつによる「小玉化(生育不良)」の影響が続き、大幅な値下がりの見通しは立っていない。円安の長期化に加え、中東情勢の悪化による原油・ナフサ高が食料品への強い物価上昇圧力にもなっており、輸入鶏肉や豚肉のほか、農業資材の高騰から野菜類の価格も今後大幅な上振れが見込まれる。
足元では中東情勢の悪化による原油・ナフサ高が食品価格にも広がるとみられ、食卓における物価高は夏以降に反転上昇する可能性が出ている。









