
OHD実証
デザミス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役兼CEO:清家浩二、以下:デザミス)は、2025年10月から12月にかけて、鹿児島県内の肉用牛肥育農家において酸化分解装置(OHD)の小型実証機による試験を実施し、重量ベースで95.85%という極めて高い固形物減容率を確認しました。さらに、OHDの処理過程で生成された多孔質なセラミック系粉末からは、肥料の主要成分であるリン(14.54%)およびカリウム(10.82%)の検出を確認し、肥料資源として転換できる高付加価値化な可能性を実証いたしました。
■畜産経営を圧迫する糞尿処理の深刻課題
畜産農家では、家畜の飼養に伴い大量の糞尿が日常的に発生し、経営を圧迫する深刻な課題となっています。堆肥化や保管、散布、運搬といった処理工程は、敷地の制約や作業負担に加え、法的管理も求められるため、大きな経営負担となってきました。例えば、乳牛1頭が1日に排出する糞尿量は約65kg※1に達し、これは1日の搾乳量(約31kg)の約2倍※2に相当します。こうしたなか、本実証で確認された高い減容率が実運用でも再現できれば、糞尿の保管量や運搬回数の削減につながり、処理に伴うコストや作業負担の軽減が期待されます。
※1出典:環境省「日本国温室効果ガスインベントリ報告書(2024年)」p.304-306
https://www.env.go.jp/content/000226851.pdf
※2出典:家畜改良事業団「令和6年乳用牛群能力検定成績速報」
https://liaj.lin.gr.jp/wp-content/uploads/2025/05/c119ad32824d1c4f9cab4501df41bb59.pdf
■畜産由来資源の活用による経営効率化と食料安全保障への貢献
今回の成果は、大幅な減容による敷地利用の効率化や輸送コストの低減を実現するだけでなく、セラミック系粉末を肥料原料として活用できる点に大きな価値があります。日本の農業は、リンやカリウムといった肥料原料の多くを海外に依存しています。畜産由来の排せつ物からこれらの成分を国内で回収・再利用することは、資源循環の促進に加え、食料安全保障の強化と自給率の安定に直結します。現在、国内の畜産現場では、牛関連だけでも1日あたり約1.5億キログラム※3、畜産全体では約2億キログラム※4の糞尿が日々発生しています。日本の牛の総飼養頭数は約389万頭※5ですが、世界に目を向けるとその数は約15億頭※6にのぼり、糞尿処理の経営負担や環境負荷の問題は、特定の国にとどまらない国際的な畜産課題となっています。
本実証は、糞尿処理の高度化と資源循環を両立させることで、畜産経営の持続性と食料安全保障の向上に貢献する技術です。デザミスは、2026年内の実用化を目指し、日本の畜産現場で培った技術と知見を世界に広げ、日本で培った技術と知見をもとに、環境負荷低減と資源循環を求める海外市場へと展開してまいります。
※3出典:農林水産省「畜産統計(令和7年2月1日現在)」より(乳用牛および肉用牛の飼養頭数合計)。
約389万頭(乳用:129.3万頭+肉用:259.5万頭)と※1をもとに算出した推計
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500222&tstat=000001015614&cycle=7&tclass1=000001020206&tclass2=000001235342&tclass3val=0
※4※3と同様の方法による推計
※5※3と同出典
※6出典:FAO(国際連合食糧農業機関)統計による世界の牛飼養頭数は約15億頭(2018年時点推定)。各国が報告する統計に基づく国際比較データを集計。 FAOSTAT - Live Animals: Cattle Population」(世界の牛飼養頭数データ)
https://www.fao.org/faostat/en/#data/QL
■国内No.1※のデザミス、「AI」とさらなる進化へ


デザミスは「農家と共に、次のステージへ」をミッションのもと、2020年より畜産現場で生まれるデータを活用し、現場と経営をつなぐ仕組みづくりに取り組んできました。U-motion Platform(ユーモーションプラットフォーム)は、「U-motion(R)」による飼養管理データに加え、診療・環境・購買などのデータを連携・統合し、実務に即した経営支援を実現するほか、OHDに代表されるハードウェア技術も組み合わせ、糞尿処理や環境負荷低減などの構造的課題にも取り組んでいます。 デザミスはこれからも、データとAIの力で農家の「経営判断を支えるパートナー」となることを目指し、価値創出をさらに加速させてまいります。
※参考:富士経済 2025/11/13発刊『アグリ&水産養殖ビジネスの現状と将来展望 2025』―2024年実績に基づく市場シェア









