
斜めに傾いた銅の箱が宙に浮かんだように見える北側外観
新宿に半世紀以上にわたり威容を誇る「軍艦マンション」。その設計で広く知られる建築家・渡邊洋治(1923-1983)。彼が出身地である新潟県上越市で設計した「斜めの家」(1976年竣工)は、彼の遺作であり、建築専門家や一部のファンの間でその存在が知られてきました。「斜めの家」は、ほぼ設計当初の姿を保っており、2013年頃より所有者の好意により地元有志による見学会が時折開催されてきました。
渡邊洋治生誕100周年となる2023年に、継続的な保存と活用を目指し、地元有志「ナナメの会」がクラウドファンディングを実施。設備修繕が行われ、2025年3月より一般向けの宿泊体験の受付を開始しました。
大胆な造形で知られる渡邊洋治ですが、彼の設計理念は、かつて太平洋側に対し「裏日本」と呼ばれた故郷の風土に根ざしています。上越市の風土を知ることが「斜めの家」を理解することにつながり、ひいては渡邊洋治の思想を知ることになると考えています。

斜めの家の特徴的なスロープ空間 階段の無い2階建て住宅である
また、「泊まって学べる名住宅」をコンセプトに、「斜めの家」の設計図一式や、クラウドファンディング時に作成した渡邊洋治の設計図集、額入りA1パースなどの関連資料を常設しています。
上越市に隣接する糸魚川市には、渡邊洋治独立後の処女作であり、渡邊洋治事務局が特に推奨する「善導寺」(1961年竣工)や、建築家・村野藤吾の最晩年の傑作「谷村美術館」(1983年竣工)もあります。「斜めの家」に宿泊し、糸魚川市へ足を延ばして建築巡りを楽しむのもおすすめです。
■宿泊予約は、Booking.com、Airbnbにて受付中。
「斜めの家」公式ホームページ(こちら)の宿泊予約リンクからどうぞ!
【内覧会&ミニレクチャー開催のご案内】
一般宿泊の開始を記念して、ナナメの会会員およびメディア関係者を対象に、「斜めの家」ガイド付き内覧会(無料)を開催いたします。建築文化や保存活動にご関心のある方はぜひご参加ください。
<開催概要>
日程1.:2025年5月11日(日)13:00~15:30
日程2.:2025年5月28日(水)13:00~15:30
会場:「斜めの家」 新潟県上越市大豆2丁目2-18
ガイドレクチャー:「斜めの家と地域の建築文化」
講師:中野一敏(ナナメの会代表/建築家・一級建築士)
参加方法:事前予約制(下記申し込みフォームより)
申込フォーム:こちら
お問い合わせ:naname023@gmail.com (ナナメの会 中野一敏)
※「ナナメの会」は「斜めの家」の保存・活用を支援する地元有志による団体です。入会費・会費は不要で、2023年以降に活動に参加された方、および今後継続的な参加の意思がある方は会員としてご参加いただけます。
【プロジェクトメンバー紹介】
〇中野 一敏(ナナメの会代表)

建築家・一級建築士/新潟工科大学・上越総合技術高校 非常勤講師
2013年より「斜めの家」の保存活動に携わり、見学対応・修繕・設計意図の調査を実施。2023年には渡邊洋治生誕100周年記念イベント・原図展・クラウドファンディングを主導し、「斜めの家」の民泊化と設備修繕を実現しました。
〇株式会社ニューサイエンスジャパン

民泊サポート民泊運営サービスを展開している(株)NSJでは今回斜めの家の民泊宿泊サービス開業・運営をさせていただきました。
当社の民泊運営代行では、予約管理や清掃・点検、ゲストとのコミュニケーションなど、民泊運営に関わるさまざまな業務にも対応しております。宿泊者の心に残る旅のお手伝いをさせて頂いております。さまざまな業務にも対応しております。
今回空き家になっていた遊休資産が貴重な『泊れる建築遺産』となりました。大切な資産を利活用できる機会を与えていただき感謝いたします。
民泊に興味のある方、遊休資産活用してみたい方、ぜひお問い合わせください。
株式会社ニューサイエンスジャパン
〒942-0147 新潟県上越市頸城区西福島662番地9
TEL 025-546-5560 / FAX 025-546-5561
フリーダイヤル 0120-684-111
https://www.n-s-j.jp/

南側外観(雨戸を閉めた状態)

南側外観(雨戸を開いた状態)

1階洋間(窓を開けた状態)

1階洋間(障子を閉めた状態)

1階茶の間から台所を見る(窓を開けた状態)

1階茶の間から台所を見る(簀戸を閉めた状態)

2階寝室(窓を開けた状態)

2階寝室(障子を閉めた状態)

2階和室(床の間を見る)

スロープ空間(南からの光が入り込む)

北側外観1

北側外観2

北側外観3

南側外観(戸を開けた状態)

スロープ空間

玄関