森ビル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 辻 慎吾)他が推進し、2024年8月に竣工した虎ノ門ヒルズ 「グラスロック」(虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業A-2街区)に、クロスセクターで社会課題解決を目指す拠点「Glass Rock ~Social Action Community~」(以下、Glass Rock)が、2025年4月9日(水)に誕生します。「Glass Rock」と個性豊かな7店舗のオープンによって、「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の再開発事業が完結します。

虎ノ門ヒルズの中心部に位置する「グラスロック」

社会課題解決に向けた「場」と「仕掛け」を提供
「虎ノ門ヒルズ」の交通結節機能と回遊性がさらに向上
「虎ノ門ヒルズ」は、東京都心部における新たな交通結節点として、環状2号線、大規模バスターミナル、東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」と一体的に整備した広大な駅前広場、幅員20mの大規模歩行者デッキなど、地上・地下・デッキレベルの重層的な交通ネットワークを強化・拡充してきました。虎ノ門ヒルズの中心に位置し、「森タワー」と「ステーションタワー」を繋ぐ幅員20mの大規模歩行者デッキ「T-デッキ」が貫通する、地上4階・地下3階、延床面積約8,800平方メートル の複合施設・虎ノ門ヒルズ「グラスロック」が開業することで、「虎ノ門ヒルズ」の交通結節機能と回遊性がさらに向上します。
クロスセクターで社会課題解決を目指す新たな拠点が誕生
近年、少子高齢化、テクノロジーと倫理の問題、気候変動、貧困・格差、ジェンダー問題など、特定の組織や領域のみでは解決が難しい社会課題が増加しています。ますます複雑化する社会課題を解決するためには、企業、行政機関、NPO・NGO、個人など、領域を超えた(クロスセクター)連携と共創が求められています。
多様な人々が集い、交流する「虎ノ門ヒルズ」に誕生する「Glass Rock」(約890平方メートル 、地上4階及び地下1階)は、クロスセクターの連携と共創により社会課題の解決に取り組む会員制拠点です。コミュニティ運営の専門家が支える「つながる」場、実践的な学びや対話を生み出すプログラムやイベントなどの「まなぶ」仕掛け、そしてイベントスペースやギャラリーなど、社会に対する視点を「ひろげる」発信機能を有します。これらの「場」と「仕掛け」を通じてクロスセクターの連携と共創を促進し、「社会課題解決」に向けたイノベーションの創出と持続可能な社会の実現に貢献します。
当社は引き続き、グローバルプレイヤーを惹きつける多様な都市機能が複合した「国際新都心・グローバルビジネスセンター」の創出を通じて、国際都市・東京のさらなる磁力向上に貢献してまいります。
虎ノ門ヒルズ 「グラスロック」 概要
・虎ノ門ヒルズ配置図

・「グラスロック」断面図

「つながる」「まなぶ」「ひろげる」の機能を通じて、社会課題の解決を促進
「Glass Rock」は、「つながる」場、「まなぶ」仕掛け、「ひろげる」発信の3つの機能を提供することで、クロスセクターの連携と共創を促進し、「社会課題解決」を起点にしたイノベーションの創出に挑戦します。また、施設全体の企画・運営には、慶應義塾大学の宮田裕章教授も「アドバイザー」として参画します。
■「Glass Rock」の機能1. 「つながる」:社会課題解決への連携・共創を促進する「コミュニティ形成・活性化」
「Glass Rock」では、社会をより良くしたいという想いを持つ多様な人が参画し、領域を超えて継続的に集うコミュニティを形成します。
また、施設にはコミュニティを活性化させる「コミュニティマネージャー」や、プロジェクトの促進に必要な人や団体を積極的につなぎ支援する「共創コーディネーター」を配置し、密接で深い議論を促します。「共創コーディネーター」には経済産業省初公募型「週一官僚」として民間の視点を持ちながら空飛ぶクルマのプロジェクトに携わった小菅隆太氏と、国家公務員として初めて米国の美術大学院に留学し、デザイン思考を取り入れた政策立案を推進した元経済産業省の橋本直樹氏の2名を起用しました。また、コミュニティの運営には、多様な人々からなるコミュニティの活性化を推進する株式会社ヒトカラメディアが「運営パートナー」として参画します。

■「Glass Rock」の機能2. 「まなぶ」:実践的な学びを通じて解決策を探る「プログラムとイベント」
議論だけでなく、実際の社会課題の解決策や行動につなげるために、企業と行政機関、NPO・NGOなどがケーススタディやナレッジ、ノウハウを持ち寄り、相互に学び合えるプログラムを用意。
また、課題の最前線の知見と経験を有し、実務として解決に向けて取り組む30団体を超えるNPOや企業、政府外郭団体、アカデミアなどが「共創パートナー」として参画。社会課題起点の協働プロジェクトの立ち上げや、解像度を上げる支援、課題に取り組むフィールドの提供や会員がその現場を体験するイベントやワークショップの開催など、様々な形で施設と連携し、会員にその知見と経験を共有、共創を促す「仕掛け」も備えます。

■「Glass Rock」の機能3. 「ひろげる」:理解と共感を深め、共に行動する「情報発信の場」
社会課題の解決には、開かれたコミュニティが不可欠です。より多くの人に理解され、共感を集めることで新たな関係者や支援者を巻き込み、大きなうねりを生み出すために、「Glass Rock」にはギャラリーや防音設備の整ったスタジオなど、会員の活動を発信する機能を備えます。
さらに、定期的に会員の活動をまとめるレポートの発信や、法人パートナーの活動のデータベース化などを通じて、会員の取り組みの透明性の確保と社会的信用の強化を図ることで、「Glass Rock」は社会課題解決を促進する「ひらかれた結節点」として機能します。

イベントや展示会などを通じて会員が取り組む活動を可視化

音声コンテンツの収録スタジオも完備することで社会課題解決の現場の生の声を配信
「Glass Rock」 施設概要
「Glass Rock」の4階には法人パートナーと共創パートナーが利用する「Partners Lounge」、地下1階にはすべてのカテゴリーの会員のための「Members Lounge」と「Gallery」を配置。フロアを横断した連携や共創を通じて、社会課題解決を目指します。
■Partners Lounge(4階) (約569平方メートル )
約100社約300名の法人パートナーと30団体を超える共創パートナーが集い、日常的に交わり、共創の可能性を探る場です。バーカウンターを備えたオープンスペースを併設し、日常の偶発的な対話も促進するほか、法人パートナーを対象とした「Take Off Program」や「X Roadmaps」をはじめ、社会課題解決に向けた実践的なセミナーやワークショップの場としても活用します。オープンスペースの一角にはライブラリーコーナー「TANA」を整備。人とアイデアとアクションをつなぐ「架け橋」の役を担います。

■Members Lounge(地下1階)(約258平方メートル )
法人パートナー、個人メンバーの種別を問わずすべての会員が利用できるこのラウンジは、多様なセクターの人が集まり、対話を重ね、新たな取り組みや実践の機会を提供する共創の拠点です。コミュニティマネージャーが人と人のコミュニケーションを媒介し、中央にあるキッチンも活用しながら共創を促進します。
レイアウトを変更するとシアター形式で最大約70名収容が可能となり、様々なセミナ-や勉強会の舞台となるほか、音声コンテンツの収録ができる防音のスタジオを完備。社会課題に向き合う生の声を発信します。

■Gallery(地下1階)(約63平方メートル )
「虎ノ門ヒルズ駅」の駅前広場に面し、「虎ノ門ヒルズ」の中心に位置する「グラスロック」内にある「Gallery」では、イベントや展示会などを開催することで、会員の取り組みを可視化します。
2025年4月9日(水)~6月30日(月)の期間、「サステナビリティの本音~『自分だけじゃムリ』から『自分にもできる!』へ~」をテーマに、企業の統合報告書(※)から見る社会課題や実際に取り組む担当者の声を展示。社会をもっとよくするアイデアを集めたウェブマガジン「IDEAS FOR GOOD」の協力のもと、社会をより良くするアクション事例も紹介します。来場者は展示を通じて、自身が気に入った「明日からできる小さな一歩」に投票。来場者の意見は集約され、社会に向けて発信されます。本展覧会は、サステナビリティに関する率直な対話を生み出し、持続可能な未来に向けた道筋を探るきっかけとなることを目指します。
(※)統合報告書:企業の戦略やガバナンス、パフォーマンス、将来の見通しなどを開示するレポート。サステナビリティへの取組もここに記載される。

「Glass Rock」 プログラム概要および書店「magmabooks」との連携
「Glass Rock」では、クロスセクターでの共創に必要な能力「未来思考(※)の力」「対話の力」「協働の力」を育むプログラムを展開。さらに、実際の社会課題の解決策や行動につなげるため、会員である企業と省庁・自治体、NPO・NGO・アカデミアなどがケーススタディやナレッジ、ノウハウを持ち寄り、相互に学び合えるワークショップも主催します。さらに、2階・3階の書店「magmabooks」とも連携することで、会員以外の方にも学びの機会を広げます。
(※)未来思考:物事を考える視点を未来に置き、そこから現在を振り返ることによって、今起こしたいアクションを決める思考方法のこと
2025年7月より、ディレクターの中嶋愛氏(スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー日本版創刊編集長)がカリキュラムを監修し、クロスセクターで共創するための仕組み・手法・課題・事例を実践者との対話を通じて学ぶ「Take Off Program(TOP)」や、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)日本代表団も務めるコンテンツパートナーのVISIONGRAPH Inc.による未来のあるべき姿を構想した上で現在からのアクションプランを議論する「X Roadmaps」などを実施予定。志を同じくする仲間と出会い、関係を築きながら、中長期的な視点で社会課題解決に取り組む機会を参加者に提供します。他にも1dayワークショップやセミナーなど、様々なアプローチで視野を広げ、個人のアクションにつなげます。

■「Glass Rock」オープニングプログラムシリーズ
・2025年4月21日(月):「営利と非営利ができること」~社会課題解決の事業化に向けて~
登壇者:石川洋人(一般社団法人Arc&Beyond 代表理事)、猪股裕(一般社団法人ちいきん会 運営事務局プロデューサー)、鈴木雅剛(株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役COO)
モデレーター:中嶋愛(編集者/Glass Rockプログラムディレクター)
・2025年5月:「”Ibasho”は世界の言葉に!すべての人に「居場所」がある社会を目指して」
登壇者:渡辺由美子(認定NPO法人キッズドア 理事長)、三島理恵(認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事)、石川貴志(一般社団法人Work Design Lab 代表理事)
モデレーター:橋本直樹(Glass Rock共創コーディネーター)
・2025年5月:「あなたと私。私たちと自然。みんなのウェルビーイングを語ろう」
モデレーター:宮田裕章(慶應義塾大学教授/Glass Rockアドバイザー)
・2025年6月:「気候変動への向き合い方~私たちそれぞれのアプローチ~」
モデレーター:今井章子(昭和女子大学教授)
・2025年6月:「多くの人が参加する仕掛けが持続可能な街をつくる」
モデレーター:小菅隆太(Glass Rock 共創コーディネーター)
※日程、タイトル及び登壇者は変更の可能性があります。
■「magmabooks」(2階・3階)との連携
「知」との出会いを軸とした新スタイル書店「magmabooks」と連携し、学びの機会を広げます。書店内に「Glass Rock」で取り扱う社会課題関連書籍のコーナーを設置するほか、期間限定で「magmabooks」内のギャラリーと「Glass Rock」の「Gallery」を連動させ、会員以外の幅広い方々にも情報を発信。社会課題解決に向けた「最初の一歩」を促すきっかけを、会員以外の方にも提供していきます。
<参考>magmabooks 概要
国内書店大手の丸善ジュンク堂書店の新業態となる書店。コンセプトは『知は熱いうちに打て』。「magmabooks」は、本を読む前(読前)から読む最中(読中)、そして読み終わった後(読後)まで味わい尽くせる、知的興奮と創造性にフォーカスを当てた未来型の体験を生み出します。そして、従来の書店が提供する「販売」のみの場を超え、「知」との出会いを軸とした創発の場として、書店の歴史に新たな1ページを加えます。具体的には、多様な「問い」を書籍に紐づけ、本との出会いを創出する「問い散歩」や 編集型書棚である「知の森 - Forest of knowledge -」などの新たなインタラクティブな要素、集中とリラックスを追求した有料ラウンジ「magmalounge」などが特徴です。書籍についてはこれまでの「本を探す」書店から、「本と出会う」書店を目指し、既存のジャンル別構成の売場(3階)の他に、テーマごとに編集し、本棚を通じて未知と出会い、新たな世界観を提示する売場(2階)を設置します。また、ギャラリースペースでの展示やコラボイベントも行い、文化と知識のハブとなる書店の新たな役割を提示しています。

※虎ノ門ヒルズ全体概要など、詳細は添付PDFもご参照ください。