
【概要】
酪農王国株式会社(本社:静岡県丹那、代表取締役:西村 悟)は、静岡県フードテック・ヘルステックビジネス創出支援事業、株式会社スペックホルダー(本社:東京都千代田区、代表取締役:大野 泰敬)および日本製紙株式会社との連携により、牛用革新的飼料「元気森森(R)」の共同実証実験を実施しました。その結果、乳量・乳脂肪率の向上および牛の健康状態改善(体細胞数、生菌数の低下)が確認され、持続可能な酪農経営の基盤強化と地域文化継承への大きな一歩となりました。
【背景と目的】
国内酪農業界は、飼料価格高騰、輸入依存、経営基盤の脆弱化、担い手不足など複数の課題に直面しています。一方、静岡県東部の伝統ある「丹那牛乳」は、地域資源を背景に国内酪農の発展に寄与してきました。
【酪農王国株式会社】は、1997年に地域の酪農文化継承と有機農業推進を目的とした体験型施設「オラッチェ」を展開し、革新と伝統の融合を実現。今回の実証実験は、地域酪農家との連携のもと、乳質改善を通じた新たな持続可能な酪農モデルの確立を目指した取り組みです。
【実証実験概要と成果】
■ 実験期間
【給与前】2022年10月~2023年9月
【給与後】2023年10月~2024年9月
■ 評価指標と成果
【乳量】
・給与前:平均29.4 kg/日
・給与後:平均30.1 kg/日
→ 約0.7 kg/日の増加
【乳脂肪率の改善】
・給与前:3.79%
・給与後:3.96%
→ 製品の風味・コク向上につながる品質改善


【今後の展開】
■ 技術最適化と普及拡大
現場からのフィードバックを反映し、飼料配合の改良及び実証実験の更なる展開を進めます。
■ 産学官連携の強化
関係各社、行政、研究機関との連携を一層推進し、持続可能な酪農モデルの全国展開と丹那地域の経済発展に寄与します。
<酪農王国株式会社 代表取締役社長 西村 悟>
「地域酪農家との協力のもと『元気森森(R)』を実証実験で給餌した結果、牛たちの健康と生産性が向上し、乳量・乳脂肪率ともに改善が見られました。これにより、持続可能な酪農経営と地域文化継承に向けた新たなモデルを確立できると確信しております。」
<日本製紙株式会社 バイオマスマテリアル事業推進本部長代理 松岡孝氏>
「弊社の先端製紙技術を応用した『元気森森(R)』は、乳質改善に大きな効果をもたらしました。環境負荷低減と経済性の両立を目指し、今後も更なる技術革新に取り組んでまいります。」
<株式会社スペックホルダー代表取締役 大野泰敬>
「今、日本の畜産業は多くの壁に直面しております。特に、原材料の大部分が海外に依存している現状は、業界の安定供給にとって大きな課題です。こうした状況を克服するためには、国内で安定的に生産・供給できる体制の構築が極めて重要です。本取り組みは、その第一歩として位置付けられており、ここで得られたデータを基に、全国で様々な検証が進むことを期待しております。結果として、日本全体の畜産業が持続可能な発展を遂げる未来を強く願っております。」
[会社概要]
酪農王国株式会社
所在地:静岡県田方郡函南町丹那349-1
代表者: 西村 悟
事業内容:乳製品製造、観光牧場運営、地域循環型農業
株式会社スペックホルダー
所在地: 東京都千代田区丸の内2-2-1-6F
代表者: 大野泰敬
事業内容:新規事業開発支援、戦略コンサルティング、地方創生・企業連携支援
【お問い合わせ先】
酪農王国株式会社
TEL:055-974-4192
Email:info@oratche.com
株式会社スペックホルダー / 高橋
Email:shinji.takahashi@specholder.jp