株式会社 読売広告社(本社:東京都港区 代表取締役社長:菊地英之 以下YOMIKO)は、同社の子会社である株式会社ショッパーインサイト(本社:東京都港区 代表取締役社長:湯川孝一)が保有する食品購買状況を買物客単位で分析可能な日本最大級の食品ID-POS購買行動データベース「real shopper SM(*1)」を活用し、食品スーパーにおけるバレンタイン時期(1月~2月中旬)のチョコレートの購買変化を分析しました。時系列や性年代別に分析し、2025年のバレンタインのトレンドも見えてきました。
分析結果のポイント
1)バレンタインの準備は1週間前から始める傾向
2)ホワイトチョコレート、バレンタイン週の伸長率は直前週の300%超
3)バレンタイン消費にもメリハリ消費の兆し
1)バレンタインの準備は1週間前から始める傾向
1週間前の2/7から上昇した曲線を描き、前日2/13にピークとなる
2023年・2024年・2025年における板チョコレート(*2)のバスケット出現率(レジ通過バスケットのうち板チョコが入ったバスケットの割合)を分析すると、バレンタインデーの1週間前となる2/7から出現率1.0%を超え、2/11に急激に伸びていることがわかります。2023年と2024年は、曜日が異なっていても同じ波形を描いていることから、今年も傾向は変わらず1週間前から前日の2/13がピークになることが予測されます。
バレンタイン直前の土曜日に板チョコを購入する傾向あり
2023年と2024年の、女性10-20代・女性30-40代のバレンタイン1週間前の購買状況を比較すると、どちらの年代も2/7,8頃から増加し、2/13をピークに非常に高い出現率に達しています。10-20代は、30-40代に比べて上昇幅が大きくなっていることから10-20代のほうが板チョコを多く購入していることがわかり、バレンタイン時の手作りチョコ需要が感じられるなど、チョコレート商品に対する関心が高いことが伺えます。
また、出現率の前日差をみると、2023年は2/11(土)、2024年は2/10(土)の出現率の前日差が大きく、バレンタイン直前の週末の土曜日に出現率の上昇幅が大きくなることがわかります。これらの傾向から、2025年は2/8(土)の板チョコの購買がアップするのではないでしょうか。
2)ホワイトチョコレート、バレンタイン週の伸長率は直前週の300%超
ミルクチョコレートは手作りチョコレートで欠かせない定番
2024年のバレンタインの2/14週と直前週を比較し、チョコレートカテゴリの中でバスケット数PI値(レジ通過1000バスケットあたりの出現率)伸長率トップ10を見てみると、直前週からの伸長率はいずれも150%を超えています。
その中でも2/14週のバスケット数PI値が最も高いのはミルクチョコレートであることがわかります。ミルクチョコレートはホワイトチョコレートの2倍以上であることからも手作りチョコでは欠かせない存在である様子がうかがえます。しかし、ホワイトチョコレートも直前週から300%の伸長率となっており、特にバレンタイン週に集中して購入が増えている様子がわかります。
3)バレンタイン消費にもメリハリ消費の兆し
物価高やカカオショックにより単価がアップ。購入点数への影響やメリハリ消費の動きも
2023年1月2日週から2025年1月6日週までの板チョコの平均単価の推移をみてみると、2024年の夏頃までは比較的安定していましたが、特に2024年6月頃から急激に上昇し秋頃には140円台に到達しています。これは昨今の物価上昇の影響を受けているほか、チョコレートの原料であるカカオ豆の原産地の天候不順や病害の発生により世界的にカカオ不足が起きている事態(カカオショック)も要因のひとつだと考えられます。
また、単価と点数の関係性を表した分布図をみると、右下がり傾向になっていることから、単価が上昇すると点数が減少することがわかります。
近年はご褒美チョコ・自分用チョコを購入する人が増えているともいわれており、物価高のバレンタインではさらにメリハリ消費が進む動きもみられるかもしれません。
今後もYOMIKOは、本サービスを始めとする購買実態に基づいた課題発見・仮説検証のサービス提供を通じてクライアント企業の事業成長に貢献してまいります。
*1 real shopper SM:食品スーパーのID-POSデータをもとに生鮮総菜を含めた全ての食品購買状況を全国規模の買物客単位で分析できるデータベース。
*2 板チョコレート:売上上位のシングルタイプの板チョコ商品群
■調査概要
・集計期間:2025年1月4日~19日、2023年・2024年の1月4日~2月14日
・エリア:日本全国
・対象カテゴリ:チョコレート
・利用データ:real shopper SMデータ