森永乳業株式会社、宮城学院女子大学、株式会社ヨークベニマル、株式会社魚国総本社、宮城県は、5者による産官学連携の取組みとして、2024年9月より、ビフィズス菌入りヨーグルトと地元食材を使用し、宮城県民の健康課題解決のための、腸活をはじめとした健康レシピ(以下レシピ)づくりを核としたプログラムに取組んでいます。
このたび、この取組みに関する発表会を1月29日(水)に宮城学院女子大学にて行います。発表会では、100名以上の宮城学院女子大学の学生が考えたレシピの中から、優秀なレシピが選出されます。選ばれたレシピ4点は、春頃から順次、ヨークベニマルの店頭・チラシなどでの紹介、また、森永乳業のレシピページでも掲載される予定です。また、魚国総本社が運営する県庁食堂などでも、優秀レシピのメニューの提供を予定しています。5者による産官学連携で、宮城県はもとより、全国の皆さまへの認知拡大にも取組んでまいります。
詳細はこちら ※審査ルールもこちらでご確認ください。
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試作の様子
試作したメニュー
1.本プロジェクト誕生の経緯について
森永乳業は、2022年7月より、宮城県民の健康課題解決に貢献すべく、牛乳・乳製品を活用した減塩レシピを宮城県の県庁食堂(運営:魚国総本社)で不定期に提供してきました※1。
※1 https://www.morinagamilk.co.jp/assets/release/202207_220719.pdf
2024年3月、「第3次みやぎ21健康プラン」※2が策定され、「健康寿命の延伸」「健康格差の縮小」などが基本方針として掲げられました。森永乳業も商品やサービスを通じて健康寿命の延伸に貢献したいと考えていたため、宮城県に協働で取組みを行いたい旨をご相談したことから今回の企画がスタートしています。
※2 「第3次みやぎ21健康プラン」 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kensui/21plan.html
そして、『「食」の分野の健康課題においては、「食」に関わる自分たちが課題解決に貢献したい』という想いに共感した5者により今回の産官学連携プロジェクトが生まれました。
2.本プロジェクト概要について
本プログラムはレシピ開発を核として、「1.教育支援プログラム(アクションラーニング)」と「2.レシピを活用した情報発信」の2つの要素で構成されています。
1.教育支援プログラム(アクションラーニング)
●100名以上の管理栄養士の卵の学生たちが、レシピを考えながら、現実の課題解決の方法を考えるプログラムです。学生はレシピを考えるだけでなく、社会に出ても役立つ「考える力」、「伝える力」、「やりきる力」を、本プロジェクトを通じて身に付けて欲しいという想いを込めています。
●具体的な設計は以下の通りです。
・まずは宮城県民の健康課題やヨーグルト、ビフィズス菌の特徴、健康効果などを学びます。
・同時に、マーケティングのエッセンスも学び、生活者視点でものごとを考える重要性を理解します。
・学んだことを活かし、健康課題が発生している要因や、どうすれば解決できるのかについて、グルー
プで議論を行い考えます。
・グループで考えた内容に沿ったレシピを、個人ごとにレシピを開発します。
・レシピには、宮城県もしくは福島県産の食材を最低1つ使用し、その食材についての豆知識を1つ調
べることを課すことで、地域食材や地産地消にも興味を持ってもらうようにしています。
・料理写真を綺麗に見せるための撮影テクニックを学びます。
・最後にプレゼンテーションを行い、自身の考えや想いを聞き手にわかりやすく伝えます。
2.学生考案のレシピを活用した情報発信
●選ばれたレシピは、ヨークベニマルの店頭、チラシなどでの紹介、宮城県の県庁食堂などでのメニュ
ー提供、各者ホームページへの掲載などを行い、広く情報発信する予定です。
●5者が協力して情報発信を行い、一人でも多くの宮城県民に本プロジェクトとレシピを認知いただけ
るように努めます。認知した方がご家庭でレシピを再現したり、食堂で食べたりする機会を創出し、
結果として、「健康寿命延伸」「食の課題解決」への貢献を目指します。
●各社の情報の展開の時期は2025年春以降順次検討してまいります。
・森永乳業のホームページの掲載
・ヨークベニマルの店頭
・魚国総本社が運営する食堂給食施設でのメニュー化
3. これまでの活動について <教育支援プログラム(アクションラーニング)>
◆2024年9月 キックオフ授業
宮城県から県民の健康課題、森永乳業からヨーグルトやビフィズス菌の基礎知識に関する授業を実施しました。ヨークベニマルからはレシピのお題(宮城県産か福島県産の食材を使用すること)についての発表もあり、学生は学んだことを活かし、グループで健康課題解決に向けたレシピ戦略を練り、その戦略に基づいたレシピを各自考えました。
◆2024年9月 宮城学院女子大学OGの授業
現役の管理栄養士として活躍しているOGより、「綺麗な料理写真の撮り方」を学びました。
◆2024年10月 レシピ試作
学生は、各自で考えたレシピをそれぞれ試作します。先生のご指導のもと、学生はレシピの確認やブラッシュアップを行いました。
◆2024年11月 レシピ完成、プレゼン授業用ポスター作製
学生は、完成したレシピや健康課題解決につながるストーリーなどを各自1枚のポスターにまとめました。
◆2024年11月 プレゼン授業
先生により、聞き手がわかりやすいプレゼンについての授業が行われました。また、作成したポスターを使って、グループでプレゼンの練習を行いました。
◆2024年12月 プレゼン動画作成、一次選考
レシピのプレゼン動画(2分)を各自撮影します。撮影した動画を用い、学生及び選考委員が一次選
考を行い、2025年1月実施の試作会に進むレシピを決定しました。
◆2025年1月 試作会、二次選考
一次選考を通過したレシピの試作会を行い、最終選考に向けて、味、見た目などを審査しました。
◆2025年1月 運命の発表会&表彰式
教育支援プログラム(アクションラーニング)の集大成ともいえる発表会。100種類以上のレシピの中から最終選考に残ったのは15レシピ。最優秀賞に選ばれるのは、果たしてどのレシピか。
日時: 1/29(水) 10:00~12:00
場所:宮城学院女子大学 第二講義館3階 K301教室
最終選考に残ったレシピの一部
4. 一問一答インタビュー
<森永乳業>
Q.レシピ作成において「ビヒダスヨーグルト」を使用することが条件となっている意図について教え
てください。
A.ヨーグルトは、牛乳などを発酵させた食品で、栄養価の高い発酵食品です。加えて、ビヒダスヨー
グルトには、ビフィズス菌BB536が含まれており、腸内環境を良好にし、おなかの調子を整え てくれる効果などがあります。そして、ビヒダスヨーグルトには、酸味を抑えたまろやかな味わい
で料理に使いやすい、という特徴がありますので、そのまま召し上がっていただくことはもちろ
ん、毎日の料理の「食材」として取り入れていただくことで、宮城県民の健康課題解決の一助にな
ると考えたからです。
<宮城学院女子大学>
Q.今回のプログラムは、学生にとって、レシピを考えるだけでなく、社会に出て必要となる力も身に
付けて頂きたいという想いが込められています。実際にプログラムを受講した学生の特長的な反応
について教えてください。
A.まだ各ライフステージの栄養課題について学んでいない1年生のため、最初は何を作ったらよいの
か全く思いつかないようでした。しかし、プログラムが進行するにつれ、ヨーグルトの機能性や栄
養価、対象者の嗜好、調理工程の工夫、栄養教育の視点、など多面的に捉え、「作る」ことと「食
べる」場面を想像しながら、自由な発想のレシピを提案することができたと思います。また、最初
から最後まで自分ひとりの力で生み出す作業は、大変ながら楽しんでいるようでした。
<ヨークベニマル>
Q.宮城県・福島県の店頭にてレシピを紹介する予定になっていますが、学生のレシピ開発において、どんな
レシピを期待していますか?
A.当社は近年、地域社会の活性化および地域の皆さまの安全・安心な暮らしに貢献すべく、産官学連
携での取組みを強化してまいりました。特に食においては、店頭での「健康メニュー」の情報提供
や、出前食育、7&Iグループ共同開発及びオリジナル商品開発などを通して、地域の皆さまの「健
康」への貢献を目指しています。今回のプロジェクトを通して、「健康イメージのあるヨーグル
ト」と「県民にとって馴染みのある食材」に 「学生ならではの自由な発想」が加わることでどんな
レシピが出てくるのか楽しみにしています。
「地産地消」と言われていながらも、意外と県民の皆さまが、これまで口にされる機会が少なかっ
た食材もあるかと思います。今回、新たなレシピを知っていただくことで、食を楽しめる幅を広める
ことにつながり、その結果として県民の健康や地域の活性化に貢献できるような情報発信となればと
考えています。
<魚国総本社>
Q.今回の宮城県の健康課題解決プログラムに賛同いただき、参加された理由を教えてください。
A.未来の管理栄養士である学生さんが考案したメニューを、弊社が運営している食堂で提供すること
で双方に良い効果が期待できるのではと思い賛同させていただいました。結果として学生さんのモ
チベーション向上につながれば幸いです。完成したメニューを提供できることを楽しみにしており
ます。
<宮城県 保健福祉部健康推進課 食育・栄養班>
Q.このプロジェクトを通して期待したいことは?
A.「第3次みやぎ21健康プラン」では、県民の健康課題の解決に向けて、胎児期から高齢期までそ
れぞれのライフステージに合わせて健康づくりを行うライフコースアプローチと、健康を支え、守
るための社会環境の質の向上を新たな計画の視点として進めることとしております。
今回の取組では、その趣旨を尊重いただき、宮城学院女子大学の皆様に、様々な栄養・食生活の課
題に活用できる多彩なレシピを作成いただきました。今後は各企業様に県内で広く普及いただける
とお聞きしており、大変楽しみです。
県としては、今後も産学官など多様な主体による健康的で持続可能な食環境づくりを進めて行きた
いと考えており、本取組がその先導的なモデルとして普及・拡大していくことを期待しておりま
す。
5.森永乳業グループについて
森永乳業グループは、コーポレートスローガン「かがやく“笑顔”のために」のもと、サステナビリティ経営の実現を目指し、「『おいしいと健康』をお届けすることにより、豊かな“日常・社会・環境”に貢献し、すべての人のかがやく笑顔を創造し続けます」というサステナビリティビジョンを掲げています。このサステナビリティビジョンの実現に向けた活動を推し進めるべく、2022年に「サステナビリティ中長期計画2030」を策定しました。『おいしいと健康』 をお届けするための商品の開発・販売、ライフスタイルをより良くするサービスの提供はもちろん、地域コミュニティとの共生を目指し、お客さまの健康で幸せな生活に貢献したいと考えています。