全国約4,600以上の観光施設に特化した人材サービス事業を行う株式会社ダイブ(東京都新宿区 代表取締役社長:庄子潔、証券コード151A、以下「ダイブ」)が、登録支援機関としてサポートするインドネシア・バングラデシュ・ミャンマー出身の3名が、アルピコホテルズ株式会社(長野県松本市 代表取締役社長:深澤洋充)が運営する「美ヶ原温泉 翔峰」に採用されました。
2024年9月末時点で、特定技能1号の資格を持つ外国人人材は全国で268,756人に上りますが、宿泊分野での受け入れ人数はわずか548人と、他分野に比べて非常に少ない状況です。(*1)こうした中、特定技能人材の採用に積極的に取り組むアルピコホテルズに対し、外国人人材を採用する魅力や教育方法についてインタビューを実施しました。また、今回採用された3名にも、日本での就労を選んだ理由や今後のキャリアについてお話を伺いました。
(*1)出典元:出入国在留管理庁「特定技能1号在留外国人数」
▼事例:美ヶ原温泉 翔峰
美ヶ原温泉 翔峰のフロントで働くムハマッド ファフリさん(27歳)、ゲストサービスで働くイ エインドラ アウンさん(26歳)、カン エムディ ラセルさん(29歳)の3名に、日本に興味をもったきっかけや、将来の夢についてインタビューを行いました。
■美ヶ原温泉 翔峰について:
美ヶ原温泉高台に位置し、全客室95室が北アルプスビュー。信州最大級規模の大浴場や3タイプの貸切風呂、足湯など複数の浴場を持ち合わせております。北アルプスの絶景と温泉、美食をお愉しみください。
■所在地 :〒390-0221 長野県松本市大字里山辺527
■公式サイト:https://www.hotel-shoho.jp/
▼ムハマッド ファフリさん(27歳)/国籍:インドネシア/特定技能(宿泊)
▼日本で働くようになったきっかけや、これまでの経歴について教えてください
私は2016年に日本に来ました。当初は技能実習生として工場で溶接やプレス加工などの仕事をしていました。日本は母国と比べて技術のレベルが高いと感じました。また、機械製造分野に限らず、日本の接客スキルも学びたいと思い、特定技能で宿泊分野の資格を取得しました。現在は「翔峰」でフロント業務を担当しています。
▼日本語を学び始めたきっかけや、どのように勉強を続けているのか教えてください
高校1年生の時、週1回の日本語授業を受けるプログラムがあり、そこで初めて日本語に触れました。日本語には、敬語、尊敬語、謙譲語があり、それぞれを誰にどのように使うべきかがとても難しいと感じています。そのため、現在も動画や新聞を見て勉強を続けています。言葉以外では日本の歴史にも興味があり、特に縄文時代が好きです。
▼将来の夢はありますか
現在のフロント業務をしっかりと習得しながら、日本語の勉強を続けていきたいと考えています。そして、さらにスキルを磨き、「翔峰」でキャリアアップを目指したいです。
▼イ エインドラ アウンさん(26歳)/国籍:ミャンマー/特定技能(外食)
▼日本に興味を持つようになったきっかけや、日本のどんな文化に魅力を感じますか
日本に興味を持つようになったきっかけは、友人が日本のアニメを紹介してくれたことです。絵が美しいのはもちろんですが、それだけではなくキャラクターの表情や人間模様が細かく描かれていて、日本の考え方や文化を知るうえでとても勉強になりました。
▼来日前に、不安に思っていたことはありますか
当初は日本を含め、海外で働くことは考えていませんでしたが、母国の情勢を受け、海外で働く決断をしました。アルピコホテルズでは初めてのミャンマー人スタッフということもあり、自分の日本語がどれだけ伝わるか不安でした。また、本式の着物を着てゲストサービスを行う業務であるため、着物を着られるようになるか心配でしたが、女将さんが丁寧に教えてくださったおかげで、最初は1時間かかっていた着付けが、今では25分ほどでできるようになりました。
▼カン エムディ ラセルさん(29歳)/国籍:バングラデシュ/特定技能(宿泊)
▼日本で働くようになったきっかけや、これまでの経歴について教えてください
私は2019年に技能実習生として来日し、建設業に従事していました。建設業では約3年間働き、技術を学び経験を積むことができましたが、日本語をより活用できる仕事に就きたいと考え始め、日本のホテルや旅館業にも興味を持つようになりました。その後、新たに特定技能の宿泊分野の資格を取得し、現在は日本語を活用して接客やゲストサービス業務を担当しています。
▼将来の夢はありますか
アルピコホテルズの職場環境はとても良く、働きやすさを感じています。この環境でさらに経験を積み、長く働き続けながら、将来的には部長など責任ある役職を目指したいと考えています。また、現在はボランティアスクールに通い、日本で暮らす多国籍の人々とのコミュニティに参加しています。そこで、ホテル・旅館で働く魅力を発信するとともに、自分が知らなかった仕事や文化についても学んでいます。私のように夢を持って日本で働きたいと考える人はたくさんいると思います。今後も日本で働く魅力や、ホテル・旅館業界で働くやりがいを積極的に発信していきたいです。
■アルピコホテルズ株式会社 本部管理部 総務人事経理課 課長 猿橋様コメント
■アルピコホテルズ株式会社 美ヶ原温泉 翔峰 営業部 フロント課 支配人 槙石様コメント
▼アルピコホテルズでは外国人人財の採用をいつ頃から本格的に始めましたか?
(猿橋様)
アルピコホテルズ全体で外国人人財の採用活動に本格的に取り組み始めたのは、約2年前からです。今回採用した3名の方は9月に入社しましたが、この採用活動自体は昨年11月からスタートしました。
▼受け入れを開始した背景を教えてください
(猿橋様)
外国人人財の採用に本格的に動き出した背景には、人手不足の課題がありました。コロナ禍が明け、国内外の動きが活発になる中で、お客様を最適な環境でお迎えするため、適任のメンバーを揃える必要性が高まったのです。
しかし、日本人財だけでは十分な確保が難しい状況だったことも事実です。採用の目的は単なる人数合わせではなく、「グローバル化を目指したい」という思いが根底にありました。コロナ禍で視野が狭まりがちだった状況を打破し、つながりを強化するためにも、多国籍の方々の視点を取り入れる必要がありました。これにより、より広い視野と多様な意見を活かせる組織作りを目指しています。また、ホテル内でさまざまな言語が飛び交うことで、お客様にグローバルな雰囲気を楽しんでいただける空間を提供したいという願いもありました。
▼受け入れ前に感じていた不安はありましたか
(槙石様)
日本語能力についてはやはり不安がありました。特にフロント業務では、紙ベースのリストに変更が生じた際、日本語で正確に書き入れるスキルがどの程度あるのか心配していました。
また、日本語にはひらがな、カタカナ、漢字があり、それぞれの理解度も気になるところでした。漢字についてはまだ勉強中ですが、ひらがなやカタカナは問題なく書き入れができていますし、日本語でのコミュニケーションもスムーズです。
(猿橋様)
面接は私たち採用担当が行いますが、実際に業務を教えるのは現場の社員です。その際、文化の違いからくる感性や考え方の違いに対応する必要があり、結果として通常より多くの労力が求められる場合があります。特定技能人財の受け入れにおいては、語学力が多少不足していても、それを補いながら共通の価値観を育てていくことが重要だと考えています。しかし、現時点でのホテルの体制では、そのような取り組みを十分に行う余裕がないのが実情です。そのため、語学力がしっかりしていること、また、私たちと同じように「おもてなし」の心や、人と接する際の謙虚な気持ちを大切にしている方と一緒に働きたいと思っています。
▼教育方法など具体的に行っていることがあればお聞かせください
(槙石様)
業務マニュアルは日本語で書かれているものが多く、外国人スタッフ向けに見直しが必要です。ひらがなやイラストを活用した、わかりやすいマニュアルへの変更を検討しています。また、「おもてなしの心」は言葉だけでは伝わりにくいため、具体的な指導方法を整えることが課題です。
外国人スタッフの増加を視野に入れ、対応できるマニュアルを更新し、改善していきたいと考えています。教育はマンツーマンで行い、専任の担当者が業務を一緒に進めながら指導します。この方法は外国人だけでなく日本人スタッフにも共通しています。個々の特徴を把握した上で、次のステップを計画しています。目標設定も重視しており、「いつまでにこれを覚える」「この日までに独り立ちする」など具体的な目標を共有し、達成後はさらに高度な業務に挑戦してもらう流れを作っています。
(猿橋様)
現場で教育を担ってくださる皆さんには感謝しています。特に日本での就業経験がある方と初めての方では対応が異なり、教える側も迷うことがあると思います。そのため、今回採用した3名の具体的な状況や接点を把握し、効果的な指導法を本部から全体に共有する必要性を感じています。現状、体制が完全ではない部分があるため、今後改善していきたいと考えています。
▼外国の方を採用することで、ホテルや地域にもたらされる新しい視点や価値について、どのように考えていますか
(猿橋様)私たち日本人にとって当たり前になっている日本の文化や、長野や松本の魅力を、海外の方の新鮮な視点から教えていただけることは大きな利点です。普段は気づけない良さや価値を、改めて見つめ直す機会を与えてくれます。その新しい気づきを、私たちがしっかりとお客様に伝えることで、地域やホテルとしての新しい価値を提供できると考えています。外国の方を迎え入れることは、人手不足を補うだけでなく、こうした多様な視点を取り入れ、お客様により豊かな体験を提供することが重要だと思います。
※アルピコホテルズでは、働く従業員を宝物・財産と考えるため「人財」という表記をしています。
■特定技能「宿泊」について
宿泊業界では5年間で最大23,000人の受け入れを見込んでおります。特定技能「宿泊」分野1号の在留資格で働くには「宿泊業技能測定試験」と「日本語能力試験N4」もしくは「国際交流基金日本語基礎テストA2」の合格が必要となります。合格者は、宿泊分野の業務において一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認められ、業務上必要な日本語能力水準を要するものと評価されます。合格すると最長5年間、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務に従事することができます。
■ダイブの特定技能人材サービス「宿泊業界のための外国人求人ナビfor特定技能」の強み
外国人人材の採用から、就労後必要な支援までワンストップでサポート外国人人材の採用には、通常の採用フローに加え、ビザ申請や住居確保、就労後の定期的なレポート等の特別な支援が必要。ダイブでは、採用マッチングから就労後の支援まで伴走いたします。人材紹介のみ、支援計画のサポートのみ、在留資格変更の支援のみなどのプランも選択でき、ニーズに合わせたプランやオプションをご用意しております。
▼対応可能な言語について:
特定技能外国人の方々を支援する際には、本人が「十分に理解できる」言語で対応することがとても大切です。特に、生活オリエンテーションや相談・お困りごとの対応では、適切な言語でのコミュニケーションが欠かせません。ダイブでは、日本語検定N4以上のレベルを持つ特定技能外国人の方を対象に、中国語、英語、ベトナム語、ミャンマー語、ネパール語、インドネシア語、韓国語に対応したサポートを行っています。
▼公式サイト:https://japan-kyujinnavi.com/
【株式会社ダイブ・概要】
会社名 :株式会社ダイブ
創業 :2002年3月
代表取締役社長 :庄子 潔
本社所在地 :〒160-0022 東京都新宿区 新宿2-8-1 新宿セブンビル10F
サイト :https://dive.design/
ダイブは、日本経済の成長エンジン「観光業」の大課題を解決すべく、事業展開しているベンチャー企業です。
基幹事業である観光施設に特化した人材サービス(リゾートバイト)においては、観光施設の大課題である「人手不足」の解決に寄与しており、年間9,320人の観光従事者を創出。日本人人材と外国人人材あわせて、全国47都道府県、4,600施設以上の観光施設と、人材のお取引実績があります。
また、新規事業の地方創生事業では、全国6カ所の非観光地(過疎地・消滅可能性自治体を含む)において、D2Cの観光事業を展開。収益の創出・外貨の獲得はもちろん、地域事業者と連携することでのサステナブルな地域づくりに貢献しております。
その他にも、グランピング施設に特化したWEBメディア「 GLAMPICKS(グランピックス)」の運営をはじめとした宿泊施設に対しての集客支援など、IT領域での事業展開も積極的に行っております。