キヤノンマーケティングジャパン株式会社（代表取締役社長：足立正親、以下キヤノンMJ）は、畜産業における悪臭問題を解決するため、静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター（森比佐子センター長、以下静岡中小試）との実証実験により開発した、次亜塩素酸水を用いた“畜産向け次亜塩素酸水噴霧システム”を2022年7月１日より提供します。悪臭問題の解決を通じて、人と畜産業の持続可能な発展を支援します。



https://canon.jp/corporate/newsrelease/2022/2022-06/pr-haws

　2020年11月から静岡県の静岡中小試とキヤノンMJは、養豚場などが排出する悪臭が畜産業の振興や、県内への企業誘致・移住促進の妨げとなるなど大きな社会課題となっていることから、静岡県内の養豚場にて、キヤノンMJの高い脱臭能力をもつ次亜塩素酸水の脱臭システムを活用した実証実験を行ってきました。
　実証実験では、豚舎において次亜塩素酸水噴霧前の臭気センサー指数40以上であった数値が噴霧後は11以下に、家畜糞尿などの堆肥化施設である堆肥舎では、噴霧前の臭気センサー指数22～36から8以下に低減することに成功しました。施設外3m境界の臭気について人がほぼ畜産系臭気と感じない程度に低減することを確認しています。
　この良好な結果をもとに、このたびキヤノンMJは“畜産向け次亜塩素酸水噴霧システム”を2022年7月1日より提供します。
　本システムは、次亜塩素酸水の噴霧による気流の調整や、次亜塩素酸水自体の粒子を微細化することにより、豚舎や堆肥舎のより効果的な脱臭を実現しています。さらに次亜塩素酸水はアンモニアなど一般的な悪臭物質だけではなく、風に乗って遠方まで影響を与えてしまう低級脂肪酸類にも効果があるため、周辺への悪臭問題の解決につながります。
　キヤノンMJは、2025年までに本システムにおける30セットの販売を目指します。また、今後は臭気対策だけではなく、国内畜産業の生産性向上を支援するため、家畜の成育促進をテーマとして次亜塩素酸水の殺ウイルス効果の活用なども視野にいれて研究を行い、商品化を目指す予定です。キヤノンMJは、環境・衛生問題解消の取り組みを通じて畜産業のより一層の発展を支援します。




一般の方のお問い合わせ先：産業機器事業部　新規ビジネス推進部　ニュープロダクト技術推進課　03-3740-3387
次亜塩素酸水溶液脱臭システムホームページ：https://canon.jp/business/solution/indtech/haws


＜“畜産向け次亜塩素酸水噴霧システム”の主な特長＞
　〇システムには、次亜塩素酸水生成装置1式、噴霧ノズル10個、送水ポンプなど、噴霧技術を利用できる基本パーツが含まれています。

　〇次亜塩素酸水の生成能力は約12L／分あるため、オプションのノズルを追加することでの複数の豚舎／堆肥舎の脱臭が可能になります。

　〇実証実験では、次亜塩素酸水の生成コストは豚舎1棟あたり約125円／日、堆肥舎1棟あたり約210円／日での運用を確認しています。

■臭気センサーによる試験結果