ひとり蟹会席イメージ
日本海の冬の代表食材といえば、「ズワイガニ」。全国に展開する温泉旅館ブランド「界」では、蟹漁解禁期間限定で、ひとり旅でも蟹を満喫できる「ひとり蟹会席」を今年も提供します。日本海エリアに位置する界 加賀(石川県・山代温泉)、界 出雲(島根県・出雲ひのみさき温泉)、界 玉造(島根県・玉造温泉)の3施設において、蟹を一杯まるごと、思いのままに自分のペースでじっくり味わい尽くすことができる会席です。
ズワイガニの漁期について
ズワイガニの漁期は、毎年11月6日~3月20日と決められています。そのため水揚げされたばかりの「活蟹」を用いた料理は、この期間限定の味覚です。日本海に面した各地の漁港で、蟹漁の船が11月5日の夜から準備を行い、6日午前零時の解禁とともに一?に漁港を出発する姿は圧巻です。
背景
多くの生活者がコロナ禍をきっかけにひとりで過ごす経験をしたことで、ひとり行動に対する価値観は変化し、ひとりの時間を大切にする傾向が高まっています。ひとり意識・行動調査では、約56%の回答者が、他の誰かと過ごすよりもひとりで過ごす方が好きと答えています(*1)。おひとり様市場が拡大する中で、ズワイガニの会席やコースをひとりで食べられる場所はまだまだ少ない状況です。また、旅のニーズも多様化していることから、ひとりでも旬のグルメを贅沢に楽しみたいというニーズに合わせ、界では2021年より「ひとり蟹会席」の提供を開始しました。宿泊者からは「自分のペースで気兼ねなく蟹を味わうことができた」や「一人ではなかなか予約できない蟹会席を、ひとり旅でも楽しめてよかった」とコメントがありました。昨年度は、ひとり旅の顧客のうち約半数の方が「ひとり蟹会席」を予約しており、さらに高まることが予想されるニーズに応えられるよう、今年も「ひとり蟹会席」の提供に至りました。産地や品質の保証を示すタグが付いたタグ付きの活蟹を、界ではひとりでも楽しめるよう、施設ごとに特色のある食べ方や調理法で提供します。爪、脚、だき身や蟹味噌など、それぞれがもつ旨味、甘さ、食感などを、蟹一杯分まるごと味わい尽くせます。
*1:博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査1993/2023」より
各施設の「ひとり蟹会席」の特徴
■界 加賀
名物料理「活蟹のしめ縄蒸し」をひとりで堪能
蟹料理の古い文献に「埋め焼き(うずめやき)」という、魚介類を縄で巻き、囲炉裏の灰の余熱を使って蒸す調理法が残されています。界 加賀では、この調理法にヒントを得て、生きた蟹を塩水に浸したしめ縄で結わえて蒸す「活蟹のしめ縄蒸し」を提供します。縄を介して火が入り、ふっくらと仕上がった蟹の身を、ひとり蟹会席限定の6種のコンディメントとともに味の変化をつけながら食べ進められます。
<コンディメント一覧>
●蟹の香りや旨味の繊細な変化を楽しむ
:蟹塩とすだち、煎り酒
●ダイナミックな風味の変化を感じる
:魚醤、アボカドマヨネーズ
●さっぱりと味わう
:蟹酢
●濃厚な味で締めくくる
:雲丹太白
料理を彩る器を愛でる
「器は料理の着物」と唱えた美食家「北大路魯山人」は、界 加賀にもゆかりのある人物です。その教えにならい、界 加賀ではそれぞれの料理に合わせる器にもこだわり、地元の九谷焼作家の方々が制作したオリジナルのものも多くそろえています。卵や味噌を楽しむメスのズワイガニ、香箱蟹(こうばこがに)は、九谷焼の窯元「萌窯(もえがま)」が作陶した小箱に入れて提供します。鮮やかな赤い蓋を開けると、「染付(そめつけ)」と呼ばれる技法で描かれた藍色の模様が顔を出し、蟹との色のコントラストを楽しめます。器をじっくりと愛でられるのもひとりの醍醐味です。
■界 出雲
蟹と贅沢な食材をかけ合わせる「松葉蟹の灯台盛り」
メインの「松葉蟹の灯台盛り」は、界 出雲の目の前に立つ「日御碕(ひのみさき)灯台」をイメージし、甲羅に蟹の身を高く盛り付けた一品です。すでに殻から身を外して、調理した状態で提供するため、手間なくひとりで蟹をじっくり味わえます。付け合わせとしてキャビア、雲丹を用意し、タグ付きの活松葉蟹と合わせて楽しみます。キャビアや雲丹の異なる食材をかけ合わせることで、蟹に塩味や旨味を加える贅沢な楽しみ方です。定番の蟹味噌、酢橘、蟹酢も用意し、ひとりでじっくりと自分の好みの組み合わせを探しながら、タグ付きの松葉蟹を満喫できます。
<付け合わせ一覧>
キャビア、雲丹、蟹味噌、酢橘、だいだい酢、煎り酒
目でも楽しむ、新しいスタイルの蟹刺し
従来、温泉旅館で提供されている蟹会席は、シンプルな蟹刺しや焼き蟹から始まり、メインで丸ごと一杯の蟹を蟹酢で味わうなど、蟹本来の味を堪能するのが大きな魅力ですが、界 出雲では見た目にも新しさのある料理を目指しました。お造りで用意するのは「松葉蟹 湯引き刺し」。開運をモチーフにした華やかな器に、湯引きをして甘みを際立たせ、丁寧に剥いた蟹刺しが並びます。エディブルフラワーを添え見た目にも華やかな一品で、飽きることなく蟹を楽しむことができます。
■界 玉造
蟹刺し、焼き蟹、蒸し蟹など様々な調理法で味わう
メインの蒸し蟹は「活松葉蟹の杉板奉書蒸し」。江戸時代、松江藩七代藩主、松平不昧公(ふまいこう)にゆかりある品として、今も伝えられる郷土料理の調理技法で、奉書紙で大きな蟹一杯をまるごと包み、杉板とともに高温で一気に蒸し上げます。蟹にかかる熱をほどよく抑え、身はみずみずしくふっくらと仕上がります。その他にも蟹刺し、焼き蟹、揚げ物、宍道湖名産のしじみを使った蟹すき鍋など、様々な調理法で変化する蟹の旨味を味わいます。
地酒と蟹のマリアージュを楽しむ
島根県は日本酒発祥の地であると言われており(*2)、個性豊かな日本酒が数多くあります。松葉蟹の会席と日本酒をあわせて楽しめるのも界 玉造の「ひとり蟹会席」の特徴の一つです。たとえば蒸し蟹に、隠岐の島町でつくられている「隠岐誉 純米吟醸」を合わせると、穏やかな香りとキレの良い酸味が蟹を引き立てます。また、蟹すき鍋には「誉池月 純米 佐香錦」を合わせ、華やかな香りと優しい旨味、出汁との相性を楽しむのがおすすめです。(*3)。自分のペースで蟹と日本酒のマリアージュを堪能できるのも、ひとり旅ならではの満喫方法です。
*2:島根県観光連盟HPより
*3:あくまでも提供例のため、日本酒の内容は変更の可能性があります。
概要
期間:2024年11月7日~2025年3月10日 *年末年始に除外日あり
料金:界 加賀72,000円~、界 出雲48,000円~、界 玉造79,000円~(税込)
予約:公式サイトより5日前までに要予約
備考:各日ごとの提供数には限りがあります。あらかじめご了承ください。
「界」とは
「界」は星野リゾートが全国に24施設を展開する温泉旅館ブランドです。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたおもてなしを追求しています。また、その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」や、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴です。2024年4月に「界 秋保」が宮城県・秋保温泉に、9月に「界 奥飛騨」が岐阜県・奥飛騨温泉郷に新規開業しました。