【JAXA×BIZ NEWS配信】BOSAI SPACE FOOD PROJECT(BSFP)/宇宙でも災害時でも活用できる新たな食「BSF1.0」が一般提供開始

掲載日: 2019年09月05日 /提供:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 新事業促進部

BSFPの事業開発拠点で、約10のプロジェクトパートナー等との共創をより加速

JAXAが、株式会社ワンテーブルと企画・運営を行う「BOSAI SPACE FOOD PROJECT(BSFP)」において、「BOSAI SPACE FOOD(BSF)」の第一弾プロトタイプ「BSF1.0」が一般向けに提供開始されました。今後は、BSFPの事業開発拠点「FROM LIFE LAB.」を中心にプロジェクトパートナー等と共に事業共創を進めて参ります。


「BSF1.0」の備蓄ゼリー


JAXAが、共創型研究開発プログラム「J-SPARC」の一環として、株式会社ワンテーブルと企画・運営を行う「BSFP」は、2018年8月末のプロジェクト発表以降、約10の企業や自治体等にプロジェクトパートナーとして参画いただき、事業共創を進めています。
BSFPのロゴマーク


本取り組みは、防災分野における新たな事業創出を目指し、災害時と宇宙に共通する食の課題やニーズを抽出し、双方が持つ知見を組み合わせた宇宙でも災害時でも活用できる食の新カテゴリー「BSF」の開発に挑戦しています。


この度、BSFの第一弾プロトタイプ「BSF1.0」として、水を必要としないゼリータイプの備蓄食が完成し、防災の日でもある9月1日より一部先行販売が開始されました。今後は、自治体での導入やヘルスケア、スポーツ等の異分野領域と融合した新たなプロダクト開発を推進します。また、宇宙日本食のバラエティ拡大や将来の宇宙旅行食の開発に向けて、新規参入を目指す企業が共通的に活用できるハブ工場や事業プラットフォームの検討も促進していきます。


さらに、食やヘルスケア分野におけるアイディア創出・プロトタイピングや社会実装を行うことを目的にワンテーブルと株式会社エムエスディが2019年9月に共同で東京都世田谷区に開設する「FROM LIFE LAB.(フロムライフラボ)」をBSFPの事業開発拠点とし、当該ラボを活用しながら、プロジェクトパートナーをはじめとする様々な企業等との事業共創を加速します。
FROM LIFE LAB.のコンセプト
今後は、BSFのプロダクト開発、テストマーケティングに加え、防災の仕組み検討や防災意識醸成、教育活動の展開、さらには持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた貢献など地球規模の課題解決も視野に入れ、引き続きオープンイノベーション型の事業開発に取り組んでいきます。


[BOSAI SPACE FOOD PROJECTの取り組み状況と今後の展開予定]

1.新たな防災市場の創出
BSPの製造拠点内部
災害時でも宇宙でも活用できるBSFのレシピ開発に挑戦し、その第一弾のプロトタイプ「BSF1.0」として、LIFE STOCK(バランスタイプ、カロリータイプ)が完成。2019年5月に竣工したBSFの製造拠点となるワンテーブルの工場(宮城県多賀城市)にて生産を行い、9/1から一部先行販売を開始。今後は、自治体でのトライアル導入や様々な防災関連企画(例:BOSAI POINT PROJECT)との連携を通じたテストマーケティングを進める予定。

2.異分野領域での事業展開
様々な事業領域のプロジェクトパートナーと共に、医療・介護、未病、スポーツ分野等と連携したプロダクト、サービス開発を実施中。また、ワンテーブルと株式会社エムエスディが2019年9月年に共同で開設するFROM LIFE LAB.において、各プロジェクトパートナー等が主体となり、アイディア創出やプロトタイピング、社会実装を推進予定。

3.宇宙産業への本格参入
ワンテーブルは、LIFE STOCK(エナジータイプ)の宇宙日本食認証取得を申請中。今後は、宇宙日本食のバラエティ拡大や将来の宇宙旅行食の開発に向けて、新規参入を目指す企業が共通的に活用できるハブ工場化やそれに資する製造プロセス、参画したくなる事業スキーム等の検討を加速する予定。


4.新たな防災の仕組みの考案

未来の防災のあり方検討会合(仙台市)
2019年5月と8月に、「BSFP未来の防災のあり方検討会合」を開催し、災害大国と言われる日本において真に必要な防災・備蓄のあり方や必要な社会インフラ、防災意識の醸成につながるアクション等を議論。具体的には、「防災×宇宙」の視点を交え、防災の可視化や災害に備えるための共通的インフラ(例:防災シミュレーション)等の必要性について検討中。本検討結果については、世界防災フォーラム(2019年11月9-12日に仙台市で開催)にて報告予定。


5.防災×宇宙×食による新しい教育活動
つくば市との取り組み(吉沼小学校)
ソーシャルパートナーである自治体や宇宙教育関連団体等と共に教育プログラムを試行的に実施。これらの活動も踏まえ、日本中の子どもたちに対する意識啓発を目指し、宇宙×防災の教育プログラム化を検討中。


(これまでの実績)
●茨城県つくば市と共に、市内の小学校で宇宙防災教室を開催(2018年12月)
国見町・陽と人との取り組み(国見小学校)
●福島県国見町・株式会社陽と人と共に、町内の小学校にて宇宙防災教室を実施(2019年8月)

●筑波スペースキャンプ((公財)日本宇宙少年団主催)にて、BSFを活用した教育プログラムを実施(2019年8月)


6.SDGs達成に向けた取り組み

上記の取り組みを推進することで、フードロスや栄養不足などの食料問題や大規模災害対応、教育など、地球規模の社会課題解決を通じた、2030年までのSDGs目標達成への貢献を目指す。





<担当J-SPARCプロデューサー(菊池優太)のコメント>

菊池優太 J-SPARCプロデューサー
プロジェクト発足から1年が経ちましたが、この間にも日本中で様々な自然災害が発生し、各地の避難所生活の様子や備蓄の課題に関して報道などを通じて目にしています。本プロジェクトでは、ワンテーブルさんと共に、「命の尊さ」ということを共通のテーマとして掲げ、これまでの宇宙ミッションの経験や知見を踏まえ、「宇宙からの視点」を防災分野の課題解決、産業創出につなげることを目指しています。現在、様々なパートナーの方々と検討を重ねておりますので、今後順次具体的な取り組みについて発表していく予定です。


<関連リンク>
●LIFE STOCK先行販売(MAKUAKEサイト内)
https://www.makuake.com/project/onetable/

●J-SPARCウェブサイト/防災分野における新たな食ビジネス
http://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/projects/onetable/

●BOSAI SPACE FOOD PROJECT(BSFP)ウェブサイト 
https://www.onetable.jp/project-bsfp/




bnr_500_juhachulight_ai-ocr.png 記事下バナー

注目のキーワード

すべてのキーワード

業界

トピックス

地域