アビームコンサルティング、日清食品ホールディングスにおけるESG価値の定量可視化への挑戦を支援。「インパクト加重会計」を用いて非財務活動の社会的インパクトを算出…

更新日: 2024年09月05日 /提供:アビームコンサルティング

 アビームコンサルティング株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山田 貴博、以下 アビームコンサルティング)は、日清食品ホールディングス株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長・CEO 安藤 宏基、以下日清食品ホールディングス)の非財務活動の取り組みがもたらすESG価値の可視化を、「インパクト加重会計※1」を用いて支援しました。
 今回は、日清食品ホールディングスの取り組みである「持続可能なRSPO※2認証パーム油の使用率向上」や「雇用における社員の多様化」をテーマに、その取り組みが社会に与える影響を金銭価値で評価し、社会的インパクトを算出しました。

※1 IFVI(International Foundation for Valuing Impacts)が提唱。ハーバードビジネススクールのインパクト加重会計イニシアティブ(IWAI)から2022年にIFVIに発展。
※2 持続可能なパーム油が標準となる市場へと変革するために構成された非営利組織「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」。

 「インパクト加重会計」は、企業が社会や環境にもたらす社会的インパクトを、プラスとマイナスの両面から総合的に金額に換算する手法です。従業員・製品・環境による社会的インパクトを、分析対象として売上収益・EBITDAとの比率により算出することで、自社の経年変化だけでなく、他社・他製品との比較などに利用することができます。経営の意思決定に利活用できるだけでなく、透明性のあるロジックに従った金銭価値の変換により、投資家に対し客観的なデータに基づく開示を行うことができるため、非財務情報による企業価値の理解促進が可能となります。アビームコンサルティングでは2022年より、インパクト加重会計を用いたESG価値の可視化支援を開始しています。

 日清食品ホールディングスでは、ESG活動を「社会的価値」と「経済的価値」の双方を創造し企業価値をより向上させるために重要な経営手法と位置づけ、ESG活動の成果である事業価値と社会的価値を可視化・定量化することにより、ESG施策の優先順位付けへの活用を目指しております。また、持続的な成長に向けた会社運営およびステークホルダーへの情報開示を通じて、日清食品ホールディングスの各取り組みに関する理解浸透を図っています。

 今回の支援では、日清食品グループの中長期的な成長戦略テーマの一つである環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」にて目標に掲げている「持続可能であると判断できるパーム油調達の比率を2030年度までにグループ全体で100%」を実現するための活動や、雇用によって創出される地域社会・ダイバーシティへの貢献がもたらす社会的インパクト(金銭価値換算)を数値化し、「インパクト加重会計」の手法である「製品インパクト会計」と「従業員インパクト会計」を用いて金銭価値に換算する分析を行いました。

 実施した分析と算出結果は以下の通りです。

(1)RSPO認証パーム油の調達によるCO2排出削減やパーム油農家の生活の質向上などについて、「製品インパクト会計」で分析
<算出結果>
・RSPO認証パーム油の使用が社会にプラスのインパクトを与えることを可視化
・認証品の調達に関わる費用を上回る社会的インパクトを創出していることを定量的に確認

(2)雇用によって創出される地域社会・ダイバーシティへの貢献などについて、「従業員インパクト会計」で分析
<算出結果>
・総賃金に占めるインパクト比率(総賃金のうちの社会的インパクト創出の割合)が約67%と判明し、HBS※3が実施した米国企業の試算結果※4と比較しても遜色ない結果であることを定量的に確認
 
 アビームコンサルティングは本取り組みにおいて、非財務情報を活用したESG経営の推進における豊富なナレッジと、インパクト加重会計に関する専門的な知見を活用し、「インパクト加重会計フレームワーク」をベースとした同社独自のロジック開発から、データ収集・インパクト算出支援などを包括的に支援しました。

 今後もアビームコンサルティングは、ESG領域における企業や組織の価値向上の支援を通じて、新たな価値創造と持続可能な社会の実現を推進するパートナーとして貢献してまいります。

※3 ハーバードビジネススクール
※4 Katie Panella and George Serafeim. “Measurements of Employment Impact.” Measuring Employment Impact : Applications and Cases, working Paper 21-082, 2021, P3
https://www.hbs.edu/ris/Publication%20Files/21-082rev8-5-21_b2e3014c-2c89-4966-866f-122f468fb352.pdf

 なお、本取り組みは日清食品グループが2024年9月2日に発行した「VALUE REPORT 2024」において、社会的インパクトの可視化の取り組みとして報告されています。

■日清食品グループ「VALUE REPORT 2024」
https://www.nissin.com/jp/ir/integrated/assets/static/pdf/2024_all_a4.pdf

■日清食品ホールディングス様とのプロジェクト事例についてのご紹介
https://www.abeam.com/jp/ja/case_study/cs131/

アビームコンサルティング株式会社
アビームコンサルティングは、アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを提供している総合マネジメントコンサルティングファームです。戦略、BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約 8,300 名のプロフェッショナルを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、パブリックなどの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供しています。アビームコンサルティングは、企業や組織とともに新たな未来を共創し、確かな変革に導く創造的パートナーとして、企業や社会の変革に貢献します。
ホームページ:https://www.abeam.com/jp/ja

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