2022年上半期「トップポイント大賞」ベスト10冊
今回、「トップポイント大賞」に選ばれたのは、日本電産株式会社の創業者・永守重信氏の著書『成しとげる力』です。本書は、永守氏にとって23年振りの書き下ろし作。日本電産を世界に名だたる“兆円企業”に成長させた氏が、自らの半生、そして「一番をめざせ」「苦労に飛び込め」「人の心の機微をつかめ」等々、半世紀におよぶ経営者人生から導き出した哲学などを語った1冊です。
投票者からは「永守氏の経営哲学は誰もが共感するところで、学びが大きい」「半端ではない人心掌握術」といったコメントが寄せられました。一代で「世界No.1のモーターメーカー」に育て上げた氏の経験・手腕が、ビジネスリーダーを中心とする読者の心をとらえ、参考となったことがうかがわれます。
なお今回は、永守氏の別の著書『永守流 経営とお金の原則』も5位にランクインしています。新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻といった未曽有の危機の中、グローバルに活躍する永守氏の考え方や仕事の原則を知りたい、ビジネスの参考にしたいという経営者・管理職が多数いらしたと推察されます。
第2位は、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』。30万部超のベストセラーとなった前著『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』の続篇で、五木寛之氏(作家)、稲盛和夫氏(京セラ名誉会長)など一流の人物365名が人生の哲学や生き方について語った言葉を編纂しています。
そして第3位には『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2) 100年時代の行動戦略』が選ばれました。好評を得た『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』の実践編としてまとめられた書で、前作の著者である経済学と心理学の専門家が、「人生100年時代」の生き方・働き方を実践的に指南します。
今回ランクインした書籍を見ると、長寿化が進む社会において人生や生き方の道標になるような書籍、また日本経済や事業環境が厳しい中、成果を出すためのヒントとなる書籍が支持を集めたと思われます。
■2022年上半期「トップポイント大賞」ベスト10冊(一覧)
【大賞】『成しとげる力』 永守重信 著/サンマーク出版
2位 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』 藤尾秀昭 監修/致知出版社
3位 『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』 アンドリュー・スコット 他著/東洋経済新報社
4位 『エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する』グレッグ・マキューン 著/かんき出版
5位 『永守流 経営とお金の原則』 永守重信 著/日経BP
6位 『日本が先進国から脱落する日』 野口悠紀雄 著/プレジデント社
7位 『AI監獄ウイグル』 ジェフリー・ケイン 著/新潮社
8位 『BCGが読む経営の論点2022』 ボストン コンサルティング グループ 編/日経BP
9位 『人はどう死ぬのか』 久坂部 羊 著/講談社(講談社現代新書)
10位 『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」』 岡嶋裕史 著/光文社(光文社新書)
※詳細は特設サイトをご覧ください:https://toppoint.jp/bestbook/announcement/22f
永守重信氏の受賞コメント
今回の受賞にあたり、著者の永守重信氏からコメントを頂戴しております。内容は、以下の通りです。
『この度は「成しとげる力」を栄誉ある賞にお選びいただき、恂に有難うございました。
本書は、私が創業した日本電産が50周年を迎えるのを機に、経営者として持ち続けている人生哲学を改めて纏めた書籍です。創業時に掲げた三大精神の一つである「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」など私の考え方の根幹を成すものを社内で再徹底したいと考えたのが本書を綴ったきっかけですが、世の中でも、大きな夢を描き、成しとげようとするような気運が失われつつあるのではないかと思い、それを世に問いたいと考えたものです。
読者の皆様が人生の中で成しとげようとされている何かに、本書が僅かでもお役に立つのであれば、これほどの喜びはございません。』
著者・永守重信氏の略歴
1944 年京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。73 年、28 歳で従業員 3 名の日本電産株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。あらゆるモータとその周辺機器を網羅する「世界 No. 1 のモーターメーカー」に育て上げた。2021 年より代表取締役会長。2014 年、公益財団法人永守財団を設立、理事長に就任。また 18 年には京都先端科学大学を運営する学校法人永守学園理事長に就任。著書に『「人を動かす人」になれ!』(三笠書房)、『情熱・熱意・執念の経営』( PHP 研究所)など。
『成しとげる力』に投票した読者のコメント(抜粋)
・創業50年という期間で2兆円を超えるものづくり製造業を築かれた、圧倒的な実績に裏付けられた永守氏の経営哲学は誰もが共感するところで学びが大きい!(50代・男性)
・永守氏と御母堂のエピソードを読んで合点がいった。永守氏がなぜ「一番」に拘るのか、成長を追い求めるのか、生い立ちや考え方を知ることで腹落ちした。(60代・男性)
・圧倒的な経営マインド・メンタリティ・成長意欲。常人には真似できないレベルとも感じるが、現実にこのレベルを体現している人がいるという事実が自身の背筋を伸ばしてくれる。(50代・男性)
・半端ではない人心掌握術!ここまで細かくフォローするからこそ人がついていくのだろう。そのエネルギーには驚かされる。(60代・男性)
・いかなる経済環境でも結果を出し続けてきた、類まれなる高成長企業の現役創業経営者の迫力を感じた。(40代・男性)
「トップポイント大賞」とは
「トップポイント大賞」とは、新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT』が、読者アンケートによって半年ごとの「ベストビジネス書」を決定するものです。2004年より前身の「読者が選ぶベストブック」を開始し、今回で通算36回目の開催となります。アンケートは、ビジネスリーダーを中心とする1万名以上の『TOPPOINT』読者を対象とし、本誌1月号~6月号の半年間で紹介した書籍60冊の中から「ベスト3」を選んでいただく形で実施します。1位3点、2位2点、3位1点として集計し、総得点1位の書籍を「トップポイント大賞」として選定。併せて、得点順に上位10冊を選出します。今回は、2022年5月25日(水)から6月15日(水)までを投票期間としました。
「トップポイント大賞」決定に合わせた書店店頭フェアの開催
本賞の決定に伴い、丸善ジュンク堂書店他、全国の主要大型書店43店舗にて「トップポイント大賞受賞書籍フェア」を開催いたします。
フェアでは、ベスト10冊に選ばれた各書籍を、その書籍の読みどころや読者のコメントと併せて展示するとともに、著者の受賞コメントや本賞の概要を紹介した小冊子(無料)を配布します。フェアは、8月より約1ヵ月間の開催予定です。
新刊ビジネス書情報誌『TOPPOINT』とは
『TOPPOINT』は、毎月数多く出版されるビジネス関連の新刊書の中から、「一読の価値ある本」を厳選し、その要約を紹介する月刊誌です。毎月、100冊前後のビジネス関連の新刊書を熟読、その中でも特に「内容が斬新」「アイデアに溢れた」10冊を厳選し、その要約を紹介します。1987年の創刊以来35年にわたり、第一線のビジネスリーダーを中心に購読されています。